今回は、沖縄県民の運動不足を解消するための活動を紹介します。※本連載は、「職場の基礎代謝®」専門家、沖縄人財クラスタ研究会の代表理事である白井旬氏の著書、『生産性を高める職場の基礎代謝』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、組織の生産性を向上させる「職場の基礎代謝」と、社員の能力×職場の基礎代謝=会社の実力(組織の生産性)という考え方を紹介します。
県民の健康状態が社会問題となっていた沖縄
この「職場の基礎代謝」の考え方が生まれたきっかけは、私の体重が増え過ぎたためでした。
体重が増えると身体が重たく感じ、動くことが億劫になります。さらに、運動不足になると体力が低下し、疲れやすくなるため、動かなくなるという悪循環に陥ります。
私が住む沖縄県では、生活習慣病の方が多く、県民の健康状態が大きな社会問題となっています。その問題を少しでも改善しようと、官公庁を中心に、民間企業も参加して、さまざまな健康プロジェクトが発足しています。
琉球放送の「みんなで歩こう」キャンペーンが話題に
その中でも、特に話題となり、注目を集めたテレビCMがあります。それは、琉球放送が2014年4月からスタートした「RBCおきなわ健康長寿プロジェクト」の一環で行われた「みんなで歩こう」キャンペーンです。
CMは、草野球のワンシーンからスタートします。フォアボールとなったバッターが、1塁へ歩くかと思いきや、左手を高らかに挙げます。そこへ、タクシーが入ってきてバッターが乗り込み1塁へ。
そして、「歩かない沖縄県民。肥満率は日本一」というテロップが出た後、タクシーから降り、堂々と1塁にたどり着くというストーリーです。啓蒙活動も含めたテレビCMですので、少しオーバーなところもあるでしょうが、沖縄県にお住まいの方は、当らずとも遠からずという感覚だと思います。
CMについては、この「フォアボール篇」の他に、「昔は歩いた篇」など全部で12篇あります。ご興味のある方は、「RBCおきなわ健康長寿プロジェクト」で検索してみてください。
「職場の基礎代謝®」専門家
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会 代表理事
1995年に流通科学大学を卒業後、大手旅行会社へ入社。2001年に業務系ITコンサル企業へ転職し、沖縄支店長を務めるが倒産。その経験から人材育成と組織開発に興味を持つ。その後、経済支援団体と地銀系シンクタンクを経て、2012年に沖縄人財クラスタ研究会の代表理事となる。
現在は、慶應義塾大学大学院・特任教授の高橋俊介氏と連携し、沖縄県の「人材育成企業認証制度」や「人材育成推進者養成講座」などを企画・運営。「職場の基礎代謝®」の考え方をベースに、アンガーマネジメント、ドリームプラン・プレゼンテーション(ドリプラ)、レゴ®シリアスプレイ®メソッド、2030SDGsカードゲームなど活用し、全国のべ1万人以上の人材育成研修や組織活性化支援に携わる。その他、大卒の入社3年以内の離職率が約50%の沖縄県において、当法人が事務局を務める「Gutsインターンシップ」修了生の離職率は10%未満という実績を上げ、注目を浴びている。
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会のHPはこちら:https://www.human-okinawa.org/
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