インターネットで「職場」というワードを検索すると…
インターネットで「上司」や「同僚」というキーワードで検索すると、「上司合わない」「同僚嫌い」などネガティブなものと同程度に、「上司好き」「同僚誕生日プレゼント」などポジティブなものも出てきます。
一方、「職場」というキーワードで検索すると、「職場脈あり」「職場好意」など微笑ましいものがある一方、「職場人間関係疲れた」「職場孤立」「職場嫌いな人」「職場ストレス」「職場苦手」など、ネガティブなものも数多く並びます。
果たして、今、日本の職場やそこで働く人々の状況は、どうなっているのでしょうか。
コミュニケーション不足がパフォーマンスの低下を招く
2016年8月にHR総研が発表した「社内コミュニケーションに関する調査」では、企業規模を問わず8割近い企業が「社内コミュニケーションに課題を感じている」と回答しています。また、7割近い企業が「部門間・事業所間のコミュニケーションに課題あり」と回答しています。同調査では、「コミュニケーション不全の内容に、企業規模による差異は少ない」としています。
この調査結果でも示されているように、現在の日本の職場では、「お互いが疑心暗鬼の中で働き、気軽に相談できる相手がおらず孤立している」「個人での仕事が増え、職場全体でのコミュニケーションの総量が不足している」と考えられ、職場には本来のパフォーマンス(実力)が発揮できないスタッフが増えているともいえます。
そして、この調査では、「部長とメンバー間」および、特に大企業では「課長とメンバー間」での課題が多いとしています。
このことは、現在の日本の職場において、プレイングマネジャー化が進み「自分のお客さまや成績のことで手一杯で、部下の面倒まで見られない」や、各種ハラスメントを気にするあまりに「コミュニケーションを取ろうにも、こちらから声を掛けられない」という感情を持ちながら、孤軍奮闘するリーダーが増えているともいえます。
本連載では、このような本来のパフォーマンスが発揮できないスタッフや孤軍奮闘するリーダーが増えている状態を「職場の基礎代謝」が低下していると定義しています。