今回は、職場の「基礎代謝」を高める3つのステップを紹介します。※本連載は、「職場の基礎代謝®」専門家、沖縄人財クラスタ研究会の代表理事である白井旬氏の著書、『生産性を高める職場の基礎代謝』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、組織の生産性を向上させる「職場の基礎代謝」と、社員の能力×職場の基礎代謝=会社の実力(組織の生産性)という考え方を紹介します。
まずは「職場のマイナス状態」を正常な状態に戻す
先の「沖縄県人材育成企業認証制度」において、認証を取得した企業の人材育成や組織開発における施策を洗い出しました。さらに、当法人がサポートを行い、業務の効率化や社員の定着率アップ、業績の回復などの改善が見られ、良い結果につながった企業へのヒアリングを改めて実施しました。
これらにより、「職場の基礎代謝」を高める方法として、以下の3つが存在する(あるいは、段階別に3つのステップを踏んでいる)ことが分かってきました。
[図表]「職場の基礎代謝」における3ステップ
①社員の「不」を解消する取組みを実施する。
↓職場のマイナス状態を正常な状態に戻す。
<例>沖縄ヤクルト株式会社における毎日1回の全体夕礼(オフサイトミーティング)など。
②社員の「不」が連鎖し、新たな「不」が発生するのを予防する。
↓職場のマイナス状態を拡大させない。
<例>ANA沖縄空港株式会社における台風後の若手社員への面談など。
③社員の「内的動機」(≒やる気スイッチ)に働きかけて、パフォーマンスをアップさせる。
↓個人のモチベーションに働きかけ、プラス状態にする。
<例>沖縄ワタベウェディング株式会社における全社キックオフ(部門別コンテストと社員表彰)など。
社員の「内的動機」を高め、パフォーマンスをアップ
つまり、職場に存在するさまざまな「不」を見つけ出して解消し、「職場の基礎代謝」を高めつつ、社員の「内的動機」(≒やる気スイッチ)を押して、さらなるパフォーマンスアップを図ることが、重要なポイントです。
「職場の基礎代謝®」専門家
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会 代表理事
1995年に流通科学大学を卒業後、大手旅行会社へ入社。2001年に業務系ITコンサル企業へ転職し、沖縄支店長を務めるが倒産。その経験から人材育成と組織開発に興味を持つ。その後、経済支援団体と地銀系シンクタンクを経て、2012年に沖縄人財クラスタ研究会の代表理事となる。
現在は、慶應義塾大学大学院・特任教授の高橋俊介氏と連携し、沖縄県の「人材育成企業認証制度」や「人材育成推進者養成講座」などを企画・運営。「職場の基礎代謝®」の考え方をベースに、アンガーマネジメント、ドリームプラン・プレゼンテーション(ドリプラ)、レゴ®シリアスプレイ®メソッド、2030SDGsカードゲームなど活用し、全国のべ1万人以上の人材育成研修や組織活性化支援に携わる。その他、大卒の入社3年以内の離職率が約50%の沖縄県において、当法人が事務局を務める「Gutsインターンシップ」修了生の離職率は10%未満という実績を上げ、注目を浴びている。
特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会のHPはこちら:https://www.human-okinawa.org/
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