高レバレッジを利用できる分、損失額も大きくなる
前回の続きです。
一方、FXのデメリットは次のようなものがあります。
デメリット1 自己資金がゼロになる可能性
25倍のレバレッジ効果を利用できるということは、損失割合も25倍になる可能性があるということです。自己資金100万円で100万円の取引(レバレッジ1倍)をして、99万円で売却した場合、損失割合は1%ですが、自己資金4万円で100万円分の取引(レバレッジ25倍)をして、99万円で売却した場合、損失額は同じ1万円でも損失割合は25%となります。
では、4万円以上の損失が発生した場合は借金を背負うことになるのかといえば、そんなことはありません。投資口座に入っているお金がゼロになった時点で強制ロスカットというシステムが働き、取引は終了になります。したがって、気が付かない間に借金を背負っているという事態になることはありません。とはいえ、自己資金がゼロになる可能性は多分にあるため、注意が必要です。
デメリット2 上がることのない資産価値
FXの資産価値は、今回紹介する投資のなかで唯一、経済成長と連動しません。なぜならこの取引は2国間の通貨交換比率の差を利益とするものなので、資産自体の価値が上がることがないからです。
仮にこれから日本経済が急成長したとしても、一方の国の景気がさらによかったり、金利が高かったりした場合、通貨の交換比率の差は生じることがなく利益は見込めません。為替レートは双方の国の事情があってのものなので、成長している国の通貨価値が必ずしも上がるわけではないのです。
したがって、FXは株や不動産といったほかの資産のように長期間の所有がイコール価値のアップとはなりません。
株式と同様、値動きについていけるのはトレーダーだけ
デメリット3 急変する相場
FXの広告には「1日で50万円の利益」といった、短期間で儲けた経験談が目立ちます。短期間で儲けられるということは、それだけ値動きが早いということです。
為替レートは24時間刻々と変化します。アメリカの経済状況を示す指標が突然発表されれば、就寝中だろうと仕事中だろうと皆さんがレートを確認できない間に相場が急変する可能性が常にあるのです。そのことを気にしはじめたら、いつでもどこでもソワソワと心が落ち着かず、寝不足になったり仕事に集中できなくなったりと、日常生活に支障が出るのではないでしょうか。
FXも株式と同様、値動きについていけるのは知識が豊富で時間的にも余裕がある専業トレーダーだけです。医師としての仕事をやり続けることが前提の人には、対応が非常に難しい投資と言わざるを得ません。