▲トップへ戻る
高額納税者の節税手段として「不動産投資」が有益な理由

前回は、国内不動産と海外不動産それぞれの特徴と投資のポイントを取り上げました。今回は、高額納税者の節税手段として「不動産投資」が有益な理由を見ていきます。

給与から「減価償却費」を引いた確定申告が可能に

高額納税者にとって不動産運用による節税効果は非常に大きなメリットです。不動産から得た収入は、勤務医としての給与所得と合算する「損益通算」をして確定申告することができます。

 

これだけ聞くと特別なこととは思えないかもしれませんが、株やFXで得た不労所得は損益通算の対象にはなりません。これが、株やFXの値上がり益にかかる税率が一律約20%という部分です。

 

給与と合算できるのは事業所得だけであり、ここが株やFXと不動産運用の決定的な差です。事業所得は、家賃などで得た収入から減価償却費や金利といった費用を事業損失として差し引いて計上することができます。減価償却とは、事業を行うにあたって必要な建物や高額な設備などの購入費を、一度に経費計上しないで何年かに分けるという考え方です。

 

建物などは大変高額なので、たとえば法人の場合は一度で経費計上してしまうと、その年の決算が大赤字になる可能性があります。また、このような建物や高額な設備は1年限りの消耗品ではなく数年にわたって使用できるものなので、使う年数に応じて小分けに計上するのが合理的ともいえるでしょう。

 

国ではそれぞれの物品に耐用年数を定めています。計上する金額は、購入金額をその年数で割ったものになります。主な物品の耐用年数は次のようになっています。

 

鉄筋コンクリート(RC造)住宅:47年(病院用は39年)

木造住宅:22年

給排水、ガス設備:15年

普通自動車:6年

コピー機、テレビ:5年

パソコン:4年

 

不動産運用を行えば、必要不可欠な建物やOA機器などの減価償却費を、勤務医としての収入から差し引いて確定申告できるのです。

 

ここで高額納税者にとってなぜ損益通算できる不動産運用が向いているかを具体例で説明しましょう。

 

たとえば勤務医としての給与所得が年間1500万円だった場合、税率は所得税と住民税で43%、納税額は645万円(分かりやすくするために各控除は考慮しません)になります。

 

ここで1億円の物件(自己資金1000万円、銀行からの融資9000万円)を購入すると、減価償却費や金利、登記代、火災保険料、リフォーム代などが経費として認められ、減価償却費が約450万円、金利が約150万円、その他を合計すると約1200万円が経費として計上できるわけです。

 

ただし、この物件は家賃収入が年間約1000万円ありますので、差額の200万円が損益通算できます。すると、給与所得1500万円から不動産運用損の200万円を引いた1300万円が課税対象となり、559万円(1300万円×43%)が納税額となります。物件を持たないときの納税額が645万円ですから、不動産運用することで86万円の節税が実現しました。

 

このように不動産運用は、高額納税者になればなるほど節税効果が期待できます。

不動産運用の節税効果は、あくまでも初期の付加価値

ここで「200万円の不動産運用損に対して、節税効果が86万円では、114万円のマイナスではないか」と気づいた人も多いでしょう。

 

しかし、運用損には「減価償却費450万円」が含まれていることに注目してください。この減価償却費450万円というのは、損益通算上マイナスとして計上していますが、実際に皆さんの手元にある現金等のキャッシュが減るわけではありません。

 

つまり1200万円の経費には、毎年払うことのない建物の減価償却費が半分近くを占めているので、実際には現金が手元に残ります。そのうえで給与所得と損益通算できることで節税効果もあるのです。

 

もちろん不動産運用は黒字経営が大前提です。この前提がなければやる意味がありません。一方で不動産運用をはじめてから1〜2年は、リフォーム代など様々な諸経費がかかるため、マイナス決算になることは想定しておくべきです。

 

不動産運用では、この期間を過ぎてからの黒字化を目標とします。黒字になれば、当然給与所得と合算しての節税はできなくなります。

 

したがって不動産運用にとって、節税効果はあくまでも初期の付加価値と考えてください。長期的には、家賃収入によるインカムゲインによって資産を増やしていくことが第一となります。

株式会社トライブ  代表取締役社長

1979年生まれ。東京の不動産投資会社にて、土地売買からアパート、マンション、ビル建設までを幅広く手掛ける。自らが考える不動産価値と収益を最大化する不動産物件を実現するため、2010年に㈱トライブを共同で設立。翌2011年、同社代表取締役就任。これからの高齢化社会では、不動産と医療は密接に連携すべきという持論の下、高収益と高付加価値を同時に実現する独自の不動産物件を多数手掛ける。自ら沖縄の医療法人にも助力し、倒産しかけた医療施設の再建に乗り出し、再生させた。また、新たな医療法人の立ち上げにも参画し、地域医療の活性化に努めている。著書に『なぜ医者は不動産投資に向いているのか?』『資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術』(いずれも幻冬舎)がある。

株式会社トライブホールディングス:http://trivehd.co.jp/

著者紹介

Soegi Group 代表

公認会計士・税理士。1979年生まれ。大阪府立大学経済学部卒業。グロービス経営大学院卒業MBAホルダー。2002年に公認会計士試験合格、卒業後約8年間にわたり大手監査法人にて会計監査、上場準備会社の支援、企業再生、M&A支援等に従事。2010年に同監査法人を退所、公認会計士西川会計事務所を創業。近年は特に医療法人の設立や医師の独立支援を多数手掛ける。

著者紹介

連載多忙な医師の資産形成に最適な「不動産投資」

 

資産家ドクター、貧困ドクター

資産家ドクター、貧困ドクター

大山 一也,西川 晃司

幻冬舎メディアコンサルティング

いまや「医師=超富裕層」とは限らない時代。自分の資産は自分で守り、増やすことが当たり前になってきました。しかし、多忙な医師にはそんな時間を作ることさえ難しいのが実状です。 そこで本書は「手間をかけずに確実に儲か…

 

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧