前回は、不動産投資による所得税節税の効果がさほど高くない理由を説明しました。今回は、賃貸不動産の活用で「相続税が大幅に圧縮できる」理由を見ていきます。

現金を不動産に変えることで、評価額を大きく下げる

相続税については、所得税と異なり、その節税メリットは非常に大きくなります。例えば、1億円の現金を持っていた場合、相続税の評価額は1億円のままです。しかし、その1億円で1億円分の不動産を購入すれば相続税の評価額を最大で半分近くまで下げることができます。これはすごいことです。

 

さらに不動産を賃貸することで相続税評価額をよりいっそう下げられます。人に貸している不動産は、そうでない不動産に比べて評価が大きく下がる仕組みになっているからです。

 

しかも、不動産を購入する際に銀行などからローンを借りると、債務(ローン)はマイナスの財産として評価され、その結果、相続税の対象となる財産の総額は減少することになります。

相続税の計算では、建物と土地の計算式が違う点に注意

具体的に、相続税をどれだけ下げられるのかをみてみましょう。

 

まず、相続税の計算では、建物は固定資産税評価額、土地については路線価が用いられます。建物の固定資産税評価額は時価の6割から7割ほど、路線価は時価の約8割です。

 

さらに、賃貸している建物、土地は以下のような計算式によって相続税の評価額が計算されます。

 

建物=固定資産税評価額×(1-借家権割合[30%])×賃貸割合

土地=路線価×(1-借地権割合[30%〜90%]×借家権割合[30%])×賃貸割合

 

この話は次回に続きます。

 

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本連載は、2017年12月25日刊行の書籍『不動産投資の「勝ち方」が1時間でわかる本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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吉村 拓

幻冬舎メディアコンサルティング

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