今回は、ドライアイが「涙による目の防御能力」に及ぼす影響について取り上げます。※本連載は、医療コミュニケーションの研究とともに、患者さんへ病気の知識をわかりやすく伝える活動を続けている眼科専門医・平松類氏の著書『本当は怖いドライアイ』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、ドライアイの基礎知識と対処法をご紹介します。

目は「外的刺激」の影響を受けやすい臓器

ドライアイで痛みが出る、ゴロゴロする、乾いた感じがする、というのは想像できるでしょう。目というのは体の中でむき出しになっている臓器です。心臓や腎臓のように体の中にしまわれ、筋肉や脂肪、骨や皮膚で守られてはいないのです。これは光を使ってものを見るために仕方がないことです。

 

けれどもむき出しであるために簡単にゴミが入ります。砂ぼこりがあたると皮膚は痛くないけれども目だけは痛くなります。さらには、光の刺激・風の刺激も受けやすいです。

 

雪目といって、スキーやスノーボードのときにゴーグルをしないと目が光の刺激で痛くなってしまうのは有名です。溶接をしている人もゴーグルなしでは光で目が痛くなってしまいます。風が吹いても目は痛くなります。だからこそ強い風のときは目を閉じないとつらいのです。

涙の防御能力が減ることで、絶えず目に「傷」が・・・

そんな目を守ってくれているのが涙です。涙は目の表面に絶えず流れることで砂ぼこりなどのゴミを流してくれます。目にゴミが入ると涙が出ていつの間にか痛みがとれてきます。そして目の表面にとどまることで風などからも守ってくれます。風が吹いてきても目を開けてものを見ることができるのは、涙がとどまっているおかげなのです。

 

ドライアイがあると涙による防御能力が減ります。ゴミが入るとゴロゴロしてきます。風が吹いて目を傷つけてしまいます。そうして小さい傷を絶えず目につくっているのです。つくっては消えを繰り返しながら本当にひどくなるとゴロゴロしたり乾いた感じがしたりして、最後には痛くなってくるのです。だから乾いてきたり、ゴロゴロしたりするというのは、かなりドライアイが進んでいると考えていいのです。

 

ドライアイをよくすれば傷ができなくなります。何となくゴロゴロしていた毎日から解放されます。乾いた感じがして絶えず目薬を持っていないと不安な生活からも解放されるのです。不調がとれるとどんな気持ちになるでしょうか? とれるのはゴロゴロのような直接的な症状だけではありません。目の疲れや目の重みなどからも解放されます。

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