今回は、ドライアイにもかかわらず、「目が涙っぽくなる」理由を取り上げます。※本連載は、医療コミュニケーションの研究とともに、患者さんへ病気の知識をわかりやすく伝える活動を続けている眼科専門医・平松類氏の著書『本当は怖いドライアイ』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、ドライアイの基礎知識と対処法をご紹介します。

涙の「質」が悪ければ、「量」が多くても目が乾く

これが一番勘違いされやすいのですが、ドライアイによって〝涙っぽい〟という症状が起こることがあります。つまり涙が出過ぎて困っている人にドライアイの治療を受けてもらうことがあるのです。ドライアイの中でも涙の「量」は十分あるのに「質」がわるいタイプの人にこのようなことが起こります。

 

涙が出るのに目が乾く「ドライアイ=目の乾き」なのに、涙がたくさんでるとはどういうことでしょうか?

確かに涙は「量」としてはたくさんでています。けれどもすぐに乾いてしまいます。「質」がわるいから、涙が出ても出ても足りなくて、目は乾いてしまいます。目が乾くと風が当たったりほこりが入ったりして目の表面に傷ができます。傷ができると目にゴミが入ったように痛くなり涙が出てきます。普段よりもたくさん涙が出てくるのです。涙は目を守ろうとしてくれるものです。

 

では涙が出て傷が治れば万事解決かというと、そういうことでもありません。治ってよかったと思い目は涙を出すのを抑えます。しかし、ドライアイの体質は改善していないのでまた目が乾いて傷ができてしまいます。そしてまたたくさん涙が出てくる。という事を繰り返してしまうのです。

「涙の質」が良くなれば「涙の量」も適正に・・・

「量」が足りている涙の「質」を改善する治療をします。一時的には涙が余計に増えたように感じます。でもそれでいいのです。「質」がよくなってくると「量」をたくさん出さなくてよくなってきます。すると体は自然と涙をたくさん出さなくなってきます。 質のわるい涙がたくさん出る状態から、質のいい最小限の涙が出る状態に変えてあげるということです。涙だけではなくて気持ちにまでドライアイは大きく影響してしまいます。

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