▲トップへ戻る
利便性の高い環境の弊害!? 「ドライアイ人口」が増加する理由

今回は、ドライアイ人口が増加し続ける理由を探ります。※本連載は、医療コミュニケーションの研究とともに、患者さんへ病気の知識をわかりやすく伝える活動を続けている眼科専門医・平松類氏の著書『本当は怖いドライアイ』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、ドライアイの基礎知識と対処法をご紹介します。

PC・スマホの光、コンタクトレンズの使用・・・

そもそもなぜあなたはドライアイになったのでしょうか? 昔はドライアイなんて言葉は聞いたことがなかったと思います。でも実際に目が乾くように感じるのは事実です。

 

一番大きく変わったのは、私たちの身の回りの環境です。昔はなかったパソコンやスマートフォンがでてきました。それまでは、ずっと昔から人間は紙を見て文字を読む程度でした。けれども今はパソコンやスマートフォンにより光っているものを見続けているのです。太陽を見てはいけないということはご存知かと思います。目が焼けてしまうというのもあります。光のエネルギーはそれだけ強いものなのです。もちろん太陽に比べればパソコンやスマートフォンの光は大したことがありません。けれどもそういう光のダメージを日々蓄積していくことで、目はわるくなっているのです。

 

コンタクトレンズも手軽に購入できるようになり、一般的になりました。コンタクトレンズは体にとっては異物です。その異物を目に入れれば目には傷がつきます。あるいは涙が目の表面にとどまろうとしてもコンタクトレンズが邪魔してしまえば、涙がきれいにたまることはできません。そのため、コンタクトレンズによるドライアイというのも増えてきているのです。

 

食事も変わりました。昔は日本食を中心とした自然に近いものを食べていました。しかし、今では欧米のような食生活、特にジャンクフードやファストフードと呼ばれるものがはやっています。この食生活により涙がわるくなってしまいます。涙というのは体から分泌されるものです。その分泌物というのも元をただせば食べ物から来ています。つまり体はすべて食べたものでできているのです。わるいものを食べればそれだけ体がわるくなります。いいものを食べればそれだけ体もよくなります。ですから食生活に気をつけていかなければいけません。

興奮を強いられる現代人の生活環境・生活スタイル

家も変化してきました。自分の家はもちろん職場、友達の家、あらゆる建物が昔とは変わってきているのです。人は多くの時間を外で過ごすより家や建物の中で過ごします。昔の家や建物は隙間風が入るのが普通でした。障子で部屋の間をへだてていました。畳があって木がありました。木は呼吸をします。湿気などをコントロールしてくれていたのです。今では家の建てつけも気密性が高くなりました。そのため、空気の行き来があまりなくなってしまい乾燥しやすくなりました。ホテルを考えていただければわかりやすいかと思います。

 

ホテルは家よりさらに気密性を上げています。ホテルに行くととても空気が乾くと感じないでしょうか? ホテルは通常の家に比べて隣の部屋の音が聞こえにくいように、また温度の調整もできるように気密性が高くできています。だから乾燥が強くなってしまうのです。ホテルほどとはいわないまでも、あなたの家やあなたの職場などが変わってきているためにドライアイになりやすくなっているのです。

 

昔よりエアコンがどこでも使えるようになってきました。昔は家にエアコンがあるのは自慢でした。石油ストーブと扇風機があればいいほうでした。今ではエアコンがあっても自慢になりません。それくらい普及してきているのです。エアコンというのは温度の調整が簡単にできます。けれども湿度が下がりやすいです。仮に加湿器を使っていても乾燥した空気をエアコンが循環させているので、顔などの上のほうの空気は乾燥していることが多いのです。気流が直接目に当たってしまうこともあります。

 

車での移動も普通にできるようになってきました。どの車もエアコンが利くようになってきています。また電車などの公共交通機関も昔よりもしっかりと空調が利くようになり湿度が下がっています。デパートなどもそうです。

 

このように環境が変化すると、自律神経のバランスを保ちにくくなります。自律神経というのは人間の興奮とリラックスのバランスを保つ神経です。興奮するときは交感神経という興奮神経が活発になって活動的になれます。すごく活動的になれるのはいいのですが、その状態を長く維持すると体が限界を迎えます。リラックスするのを副交感神経といいます。体がリラックスするように促してくれます。けれども現代は興奮する要素が多く交感神経が強くなってしまっている人が多いです。絶えず興奮していてリラックスするタイミングを持てなくなってしまっているのです。

 

このように、さまざまな原因でドライアイの人口は増えてきているのです。まずは自身の生活を振り返って原因を見つけ取り除きながら自分でよくする、そして最新治療も駆使してよくする必要があるのです。筆者著書『本当は怖いドライアイ』では、具体的な方法をご紹介しています。

昭和大学兼任講師
彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長
三友堂病院非常勤医 医学博士、眼科専門医。

愛知県田原市出身。自身がドライアイであり克服した経験をもつ。医療コミュニケーションの研究のなかで患者さんが病気を知ることがより良い治療のために大切なことを知り、病気の知識をわかりやすく伝える活動を続ける。
主な著書に『緑内障の最新医療』『黄斑変性・浮腫で失明しないために』『その白内障手術、待った!』(時事通信社)など多数。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌などのメディア取材にも精力的に応じている。
ブログ http://www.hiramatsurui.com/

著者紹介

連載本当は怖い「ドライアイ」の基礎知識と対処法

 

本当は怖いドライアイ

本当は怖いドライアイ

平松 類

時事通信出版局

医師も軽く考えがちなドライアイ。 目薬で一時的によくなっても、根本は治っていません。 でも、安心してください。 いい対処法があるのです。この本に出会ったことが、苦しみと決別するチャンスです。 目が乾燥することによ…

 

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧