前回は、自宅への配食などを通じて高齢者を支援する、介護施設の取り組みを紹介しました。今回は、介護職が置かれている厳しい現実を見ていきます。

2025年、「人口の3分の1」が65歳以上に

超高齢社会を迎えている日本では、介護へのニーズがますます高まる一方、介護職員の不足が大きな問題になっています。

 

現在、日本は世界でも類を見ない超高齢社会を迎えています。1947~1949年の第一次ベビーブームに生まれた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年頃には、人口の約3分の1が65歳以上の高齢者になると予測されています。

 

そしてそれを機に、医療費や社会保障費の急増など、さまざまな問題がいっそう深刻化すると懸念されているのです。これがいわゆる「2025年問題」と呼ばれるものです。

 

高齢者の増加で「介護職員の不足」が深刻化

高齢者が増えるということは、介護を必要とする人の数も増えるということです。実際に要介護認定者数は、2000年の218万人から2016年の623万人へと急増、今後もさらに増え続けると予想されています。

 

要介護者が増え、介護のニーズが高まる一方で、現在、介護職員の数は不足している状態です。2025年度には、実に38万人もの介護職員が足りなくなると推測されています。

 

人材不足は、介護施設の運営責任者にとっても大きな問題です。人材が不足すれば要介護者を受け入れることはできませんし、施設運営にも大きく影響することは間違いありません。

 

介護労働安定センターの2010~2014年の「介護労働実態調査」によると、施設等の介護職員の数が「大いに不足している」「不足している」という回答は、2009年度は9.7%だったのに対し、2013年度は22.7%へと急増しています。

 

本連載は、2017年8月26日刊行の書籍『利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル』から抜粋したものです。

利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル

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山田 俊郎

幻冬舎メディアコンサルティング

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