今回は、TIBORの金利が「上昇局面」を迎えている背景について考察します。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

長らく停滞していた「TIBOR」だが…

2017年の9月下旬以降、TIBOR指数が月ごとに
コツコツと上昇しています。
TIBOR(タイボ)は、
東京の銀行間で資金を融通しあう際に、使われる金利です。
日々発表され、その金利を各銀行が使用しています。

 

2016年の6月以降、長らく停滞し2017年9月に、
上がり始めました。
その後、月1回のペースでコツコツ上昇しています。
次のグラフのような感じです。

 

 

超低金利の時代はいつまでも続かない

上がったとはいうものの、
12月1日時点で、1ケ月TIBORは0.04545%です。
2016年2月、マイナス金利導入の影響を受ける直前は、
0.11182%でした。
なので、上昇したとはいえ、マイナス金利導入前よりも、
かなり低い水準です。

 

ただし、この3ケ月の流れを見ていると、
TIBOR数値の底は打った、という様子が伺えます。
ソフトランディングの形で、
マイナス金利導入前の水準数値へと上げ戻し、
その後は景気動向次第でさらに引き上げたい、
という流れになるのでは、と感じています。

 

つまり、金利は上昇局面に近づきつつある、
と考えているのです。
超低金利の時代は、いつまでも続かないのです。
と、金利が上がるとは、基本的に、
借りたい会社が増えるのです。
となると、融資に対して、銀行の姿勢はよりシビアになります。
そうなる前に、決算書の中味を身ぎれいにして、
銀行交渉に強い決算書にしておいてほしいのです。

 

但し、長期的に見ると、資金調達対策は、
決算書だけではなくなるかも、という予感もしています。
その根拠が、銀行でのフィンテック導入の流れなのです。
そのことは、次回以降に書かせていただきます。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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