フィンテック活用で決算書に頼らない格付けが誕生⁉
フィンテックも、AIやIoTに次いで、
最近の新聞紙面には欠かせない言葉のひとつになりました。
フィンテックは、ファイナンスとテクノロジーが合体した言葉です。
技術的なことはさておき、フィンテックが進むと、
中小企業にはどのような影響があるのか、です。
銀行対策のために、
「決算書を磨きなさい!」と言っているのに、なんだ!
と思われるかもしれません。
しかし、フィンテック活用が進んだ先には、
決算書に頼らない格付け(スコアリング)が生まれるだろう、
と予測しているのです。
格付け(スコアリング)はいわば、貸し先に対する信用のランク付けです。
銀行は会社にお金を貸して、
約束通りに返済されるかどうかが、気になるのです。
その信用度合いを測るのに、現状、決算書が活用されているわけです。
しかし、決算書は過去のデータです。
その会社の今現在の姿や少し先のことまでは、わからないのです。
「過去の決算書にばかりこだわって、今現状の姿を見てくれない!」
と嘆く経営者も多いです。
金融庁も銀行に対して、
「決算書だけでなく、これからの事業性を評価せよ!」
と方向転換を始めました。
クラウド会計の会社と提携契約を結ぶ銀行の思惑
とはいえ、現状では、銀行は決算書に頼るしかない、
というのが現実なのです。
しかし、フィンテックが進化を遂げると、どうなるか。
会社の会計データをリアルタイムで把握することが可能になるのです。
「売掛金がいくらある。」
「仕入れの支払いがいくらある。」
「入金や支払は、遅延なく行われている。」
などなど・・・。
直近の資金状況を評価機関が把握し、信用格付けをする、
ということになるのです。
銀行は、その評価機関としての主導権を握りたいのです。
だから銀行は今、
クラウド会計の会社と提携契約を結び始めているのです。
そうすることで、融資先のすべての会計データを、
リアルタイムにつかめるのでは、と考えているからです。
現に、中小企業でも、
電子債権や電子マネー、クレジットカード決済が増えるなど、
決済情報の即時データ化は、着実に進んでいるのです。
信用をリアルタイムに格付けするためのビッグデータは、
どんどん膨らんでいるのです。
一方、特定企業や個人のビッグデータを、
安易に閲覧できないようにする法案も、進みつつあります。
なので、銀行が主導権を握るかどうかは、まだわかりません。
しかし、リアルタイムの会計データをもとに、
融資のための信用格付けが行われる世の中になる、
ということは、大いにありうると考えているのです。
で、そうなると、どうなるのか?です。
それはまた次回に。