今回は、プロトレーダーの多くが備えている「真の瞬発力」について見ていきます。※本連載は、投資顧問会社「林投資研究所」代表取締役の林知之氏の著書、『プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践』(マイルストーンズ)の中から一部を抜粋し、個人投資家のための「うねり取り」実践のポイントを紹介します。

独りで戦うトレーダーとしての「高い意識」

見出しからは、デイトレードなど超短期の売買を想像してしまうかもしれないが、そうではない。3カ月または6カ月の波を見るのだから、多くの人が考えている以上にのんびりとした時間軸だ。そんな時間の流れの中にある、プレーヤーの「瞬発力」を考えたい。

 

実際の売買では、丁寧な分割売買を行いながらも、「いいのかな」「大丈夫かな」と慎重に進む。

 

だから、頭の中は意外と忙しい。やたらと手数が多くて落ち着きのないトレードは好ましくないが、フリーズせずに後悔のない決断を連続させることが求められるからだ。

 

やさしい銘柄を選んでやさしく着実に利益を得ようというのが「うねり取り」だが、銘柄を限定して手がけている以上は、3カ月または6カ月の波を見逃したり、ポジションを持ったまま天井や底の時期を居過ごしてはいけない。

 

この点では、トレードに生活をかけているプロトレーダー、一匹狼の職人としてのシゴトを再現しようと努めるべきだ。「アマチュアだからいいや」などとつぶやいても、自らカモになって大切なカネが減るだけだ。

 

アマチュアにはアマチュアの戦い方があり、それを最もラクに実現する手法のひとつが「うねり取り」だが、誰かが助けてくれるわけではない。独りで戦うトレーダーとして、高い意識をもってほしい。

「ポジションを減らさずに値動きを注視」するプロ思考

今日買って明日売るトレードを目指して参加すると、それこそ海千山千の人たちとの真っ向勝負になるから、そんなことは勧めない。

 

しかし、朝9時に買ったものを9時5分に売ることだって許される、そういう自由が与えられているから、大切なカネを値動きの激しい株というものに投じることができるのである。

 

今この瞬間に全部を手仕舞いしてもいい──こんな選択肢が常にある状態、いつでも行動できる瞬発力をそなえてほしい。すると、「様子見だ」などとダメな状況を先送りしなくなる。

 

持っているポジションをそのままにするのは、「もしポジションがゼロだったら、今この瞬間に同じポジションをつくってもいい」という確固たる意思があるからだ、そこまで考えてポジションを減らさずに値動きを注視するんだ、というのがプロの思考だ。

 

こうして「維持」を決断するのも、瞬発力だと考える。

本連載は、林知之氏の著書『プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践』(マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。稀にその後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践

プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践

林 知之

マイルストーンズ合資会社

価格の自律的な動き、つまり自然に発生する変動を利用して利益を上げる「うねり取り」は、数多くのプロ相場師が好んで利用している。この「うねり取り」による売買法を基本から実践まで、幅広く、丁寧にわかりやすく解説したの…

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