今回は、株式投資の「順張り」で勝つための適切なタイミングについて解説します。※本連載は、投資顧問会社「林投資研究所」代表取締役の林知之氏の著書、『プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践』(マイルストーンズ)の中から一部を抜粋し、個人投資家のための「うねり取り」実践のポイントを紹介します。

順張りのほうが、正しい、安全な、プロの思考である

やみくもな逆張りは、単に“逆行する”ポジションをつくるだけだ。ガンガン下がっているうちは、ナンピン買い下がりを狙うよりも、カラ売りの維持が正しい。下げ止まってから、ゆっくりと買いに転換していけばいいのだ。その行動を支えるのが、「3カ月」「6カ月」を軸とした日柄(チャートのヨコ軸)観測だ。

 

逆張りが望ましい、プロは逆張りだ、買い下がるんだ──このイメージによって下げ途中で買って失敗、「逆張りは難しい」「ナンピンをするべきではない」と結論を出している人が多いが、少しだけ視点を高めて長い期間を眺めるようにすると、別のものが見えてくる。

 

一般的な「逆張り」「順張り」のイメージを基にした、私からの提案はこうだ。

 

「順張りのほうが、正しい、安全な、プロの思考である」

ポジションをつくり始めるのに最適なタイミングとは?

上げの波に乗るのが、買い戦略のイメージだ。どこまで下がるかわからない恐怖の場面で買う必要はない。最安値を買えるかもしれないが確率は非常に低く、かなり安いところを買えたとしても値幅取りに直結するかどうかは疑問だ。

 

だったら、下げ止まって閑散とした雰囲気になるのを待てばいい。ニュースで「下げの恐怖」を報じなくなり、しかし「上げへの期待」にも言及しない状況で値動きを注視していると、ジワッとした変化、株価が「上がりたがっている」ことを感じる。そこからポジションをつくり始めるのが基本のタイミングだ。

 

次の段階で、「より安く」仕込むことを意識しよう。これが、下げ末期から慎重に分割して、ゆっくりとエントリーする、適正なトレードの計画につながる。

 

こういったプロのトレードに近づくには、落ち着いた観察しかない。それをサポートする大切なパートナーが、場帳とチャートであり、縁の下で支えてくれるのが、売買を記録した玉帳だ。道具をおろそかにしてはいけない。

本連載は、林知之氏の著書『プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践』(マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践

プロの視点 うねり取り株式投資法 基本と実践

林 知之

マイルストーンズ合資会社

価格の自律的な動き、つまり自然に発生する変動を利用して利益を上げる「うねり取り」は、数多くのプロ相場師が好んで利用している。この「うねり取り」による売買法を基本から実践まで、幅広く、丁寧にわかりやすく解説したの…

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