順張りのほうが、正しい、安全な、プロの思考である
やみくもな逆張りは、単に“逆行する”ポジションをつくるだけだ。ガンガン下がっているうちは、ナンピン買い下がりを狙うよりも、カラ売りの維持が正しい。下げ止まってから、ゆっくりと買いに転換していけばいいのだ。その行動を支えるのが、「3カ月」「6カ月」を軸とした日柄(チャートのヨコ軸)観測だ。
逆張りが望ましい、プロは逆張りだ、買い下がるんだ──このイメージによって下げ途中で買って失敗、「逆張りは難しい」「ナンピンをするべきではない」と結論を出している人が多いが、少しだけ視点を高めて長い期間を眺めるようにすると、別のものが見えてくる。
一般的な「逆張り」「順張り」のイメージを基にした、私からの提案はこうだ。
「順張りのほうが、正しい、安全な、プロの思考である」
ポジションをつくり始めるのに最適なタイミングとは?
上げの波に乗るのが、買い戦略のイメージだ。どこまで下がるかわからない恐怖の場面で買う必要はない。最安値を買えるかもしれないが確率は非常に低く、かなり安いところを買えたとしても値幅取りに直結するかどうかは疑問だ。
だったら、下げ止まって閑散とした雰囲気になるのを待てばいい。ニュースで「下げの恐怖」を報じなくなり、しかし「上げへの期待」にも言及しない状況で値動きを注視していると、ジワッとした変化、株価が「上がりたがっている」ことを感じる。そこからポジションをつくり始めるのが基本のタイミングだ。
次の段階で、「より安く」仕込むことを意識しよう。これが、下げ末期から慎重に分割して、ゆっくりとエントリーする、適正なトレードの計画につながる。
こういったプロのトレードに近づくには、落ち着いた観察しかない。それをサポートする大切なパートナーが、場帳とチャートであり、縁の下で支えてくれるのが、売買を記録した玉帳だ。道具をおろそかにしてはいけない。