前回に引き続き、研修計画書の作り方を具体的に見ていきましょう。今回は、研修後のフォロー方法も併せて説明します。

事前課題を与えることで、研修参加者の吸収力をアップ

前回に引き続き、研修計画書の作り方を具体的に見ていきましょう。

 

【10】事前課題(How)

事前課題は、インプットだけでなくアウトプットを含む場合もあります。アウトプットをしてはじめて、自分自身のレベルを知ることができる場合も多いからです。自分自身のレベルが自己認識よりも低いということを認識すれば、危機感を抱いた状態で集合研修に望むので、吸収力も上がるのです。

 

事例では、「文献を読むことにより、IDについての基礎知識をインプットした上で、研修計画書のドラフトを作成する」ことにしました。悩んで作成した研修計画書(ドラフト)を持ち寄ってグループワークをすることで、より自分に引きつけて考えることができるようになります。

 

ただし、多くの方は積み上げ方式に慣れているので、このような応用先行型の学びには慣れていません。中には、失敗したりうまく作成できなかったりする方もいるでしょう。ここで注意すべきことは、「失敗」を恐れない「安心安全の場」をつくるということです。

 

うまくドラフトを作成できないようなことがあれば、参加者のモチベーションを下げてしまう可能性があります。そこで、事前に「いくらでも失敗しましょう」「トライ&エラーを繰り返しましょう」と明確に研修の意図を伝えることが重要なのです。

 

【11】当日のレッスンプラン(How)

当日のレッスンプランは、集合研修の「タイムテーブル」を作成します。どのように進行していくかをイメージしながら時間・セッションのタイトル・内容・目的などを記入します。

研修後は上司がフォローやコーチングを実施

【12】フォローアップ(How)

フォローアップは、集合研修の当日以降に提出させる課題や、上司のサポート内容などを記入します。事前課題や集合研修で学んだ成果を定着させるために、どのような内容が必要かを考えて設計します。

 

フォローアップのフェーズでは、IDerやトレーナーよりも、現場の上司の役割がキーになることが多いです。IDerやトレーナーは、アフターフォローが機能するような仕組みを考えることが自分たちの役割だと認識しておきましょう。

 

事例では、「研修計画書(改善版)を上司に提出する」という課題を参加者に与え、それらを通して上司がフォローやコーチングをしていくという設計にしています。

 

上司がフォローすることが理想ですが、ある上司が多忙で手が回らなそうな場合には、IDerやトレーナーが代理でサポートするという形にしてもよいかもしれません。「ここからは上司の仕事だから関係ない」と捉えるのではなく、参加者をパフォーマンスゴールに到達させるには誰がイニシアティブを取るべきかを状況に応じて柔軟に考えていくことが大切になります。

 

以上が研修計画書の書き方でした。みなさん、だいぶ、ご自身が実施したい研修のイメージができてきたと思います。それでは次回は、さらに、その研修計画書をより良くするために必要な考え方を4つご紹介します。

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