前回は、大量の飲酒がどのような病気を引き起こすのかを説明しました。今回は、お酒の「適量」について見ていきます。

日本人は欧米人に比べてお酒に弱い!?

アルコールの分解酵素であるアセトアルデヒド脱水素酵素2型には3つの型があり、酵素の活性が強い人と弱い人、そして活性がまったくない人がいます。

 

お酒に強い人はアセトアルデヒドの代謝速度が速い活性型を持ち、代謝速度の遅い低活性型や酵素活性がまったくない非活性型を持つ人はお酒に弱いタイプです。自分がどの型を持っているかは、親から受け継ぐ遺伝子によって決定され、後天的に変わることはありません。

 

最近は遺伝子検査が話題になっていますが、自分がどのタイプの遺伝子型を持っているかを簡単に調べることができるようになりました。

 

日本人の約4割は低活性型で、約1割は非活性型といわれています。欧米人に比べてお酒に弱いといわれるのには、この遺伝子が関係しているというわけです。ちなみに、非活性型はモンゴロイド(黄色人種)にだけ見られる特徴ともいわれています。

厚生労働省は1日20グラム程度のアルコール量を提示

では、適量とは果たしてどれくらいの量なのでしょう。

 

これには個人差があり、同じ人であってもその日の体調によって酔い具合が違いますから、一概にいうことはできません。ただ、厚生労働省による飲酒のガイドラインでは、「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として1日平均純アルコールで20グラム程度」としています。

 

これは、「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チュウハイ(7パーセント)350㎖缶1本」「ウイスキーダブル1杯」に相当します。この数値は、日本人や欧米人を対象にした大規模な疫学研究からアルコール消費量と総死亡率の関係を検討し、それを根拠に割り出されたものとされています。

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

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大川 章裕

幻冬舎メディアコンサルティング

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