アルコールの飲み過ぎが「脳の神経細胞」に与える影響

前回は、脳の活動に「酸素」と「糖」が活用されるプロセスを説明しました。今回は、アルコールの飲み過ぎが「脳の神経細胞」に与える影響について見ていきます。

飲酒によって「酔っぱらう」状態が引き起こされると・・・

神経細胞を死滅させないまでも、一時的にその働きが乱されて記憶をなくすことがあります。それが飲酒によって引き起こされる「酔っぱらう」という状態です。

 

お酒を飲むとどうして酔うのかというと、アルコールがシナプスでの情報をグチャグチャにしてしまうからです。

 

アルコールは肝臓で処理されますが、処理能力を超えたアルコールは血液に入って全身に送られます。当然、脳にも届きますが、脳はブドウ糖しか受けつけないことでもおわかりにように、異物の侵入を防ぐ「血液脳関門」という防御システムがあります。

 

ところが、アルコールをはじめとする脂溶性の物質は、この防御システムの網の目をくぐり抜けて脳内に入ってしまうのです。

行き過ぎた飲酒が「認知症」のリスクを高める!?

脳内では、アルコール脱水素酵素がアルコールを分解しますが、飲酒のスピードに追いつけなくなると、アルコールがニューロンの膜を溶かしてしまいます。そうなるとシナプス間を伝わっていく神経伝達物質にも影響を及ぼし、情報を狂わせてしまうわけです。

 

これが「酔い」の状態です。

 

そして、記憶の回路にあるシナプスがアルコールによって影響を受けると、「昨晩のことを覚えていない」ということが起こります。

 

お酒に強い、弱いにもよりますが、一般的には血液中のアルコール濃度が0.03パーセントでは陽気になってはしゃぐようになり、0.10パーセントではロレツが回らなくなって足取りも不安定になり、0.30パーセントでは意識がもうろうとして抑止力がなくなります。

 

このように、アルコールの飲み過ぎは、脳の神経細胞に悪影響を与えます。したがって、大量のアルコールを長期にわたって摂り続けていると、それだけ神経細胞が危険にさらされることとなり、認知症のリスクを高めることにもつながります。

特定医療法人大坪会「小石川東京病院」院長 医学博士

1988年日本大学医学部卒業。専門は脊椎外科。医療連携・地域医療を重点的に行い、腰痛や高齢者医療についての講演も多数。平成23年より現職。高いレベルの脊椎手術と納得感のある丁寧な説明が、患者から信頼を得る。得意分野は脊椎手術全般、骨粗しょう症の治療。
海外文献にも豊富な知見をもち、イギリスで進むビールの健康効果に関する研究に注目。予防医学や健康に貢献するとして情報公開を積極的に進める。

著者紹介

連載「体の酸化」を食い止めるビールの健康効果

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

大川 章裕

幻冬舎メディアコンサルティング

ビールで病気を予防する⁉︎ ビールが老化や病気の原因となる「体の酸化」を防ぐ効果が高いと聞いたら驚く人は多いでしょう。 しかし、ビールは古くから健康維持に用いられた歴史を持っており、近年ではその効果が科学的に…

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