前回は、老化のスピードを速める「体の酸化」を防ぐ方法はあるのか、検証をしました。今回は、「健康のためにビールを飲む」とはどういうことかを見ていきましょう。

ビールにも「抗酸化作用」がある

野菜や果物以外で抗酸化作用のある飲食物というと、多くの人が赤ワインを思い浮かべると思います。一時は赤ワインに含まれるポリフェノールが脚光を浴び、どうせ飲むなら健康に良いものをと、誰もがこぞって赤ワインを飲んでいたほど大ブームを巻き起こしました。

 

ところが、その赤ワインに引けを取らないくらいの抗酸化作用が、「ビール」にもあるとしたら、皆さんはすぐにでも飲みたくなるのではないでしょうか。

 

かくいう私も、国内だけではなく、海外に行っても必ずその土地で造られている「クラフトビール」の飲み歩きをするほどのビール党です。それが高じてビールについて調べていく過程で、さまざまな健康効果を知ることとなりました。

 

ちなみに、クラフトビール(Craft Beer)とは、小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビールのことをいいます。ビール職人が造り出す高品質なビールを「手工芸品(Craft)」にたとえて、「クラフトビール」と呼んでいます。地ビールの多くがこれに当てはまります。最近は、クラフトビールの専門店ができるほど人気があり、ブームになりつつあるのです。

 

皆さんも飲み会などで「とりあえずビール」というように、最初の1杯はビールで乾杯することから始まると思いますので、このビールを健康のために利用すれば、誰もが喜んで続けることができることでしょう。

ビールの「苦味」が酸化ストレスを減少させる!?

実は、ビールを飲んだときの、あの苦味成分こそがまさに抗酸化物質だったのです。苦味成分の正体は「ホップ」というアサ科のツル性の植物で、日本では「カラハナソウ」(学名:フルムス・ルプルス)と呼ばれています。

 

この植物は、雄株と雌株が別々になっており、受精するとその苦味や香りが劣化するため、雄株はすべて排除して受精させないようにした「球花」と呼ばれる松かさのような形をした雌株の花だけがビールに使われています。

 

このホップの抗酸化作用を調べた論文が、血管や血液専門の研究雑誌『Platelets』に発表されていました。その論文によると、血栓症および炎症によって一酸化窒素の産生が抑えられたヒトの血小板(ケガをしたときなどに血液を固まらせる働きをしている)の中にホップの抽出物を入れたところ、酸化ストレスが減少していたというものでした。

 

一酸化窒素は血管内皮細胞から産生され、血小板が溜まって血管内に血栓をつくるのを防ぐ働きをしています。つまり、一酸化窒素には抗酸化作用があるため、体内に活性酸素が多いとそれを除去するために消費され、結果として血液を固まりやすくして血栓をつくるようになるということです。

 

この状態になったヒトの血小板にホップの抽出物を入れると、血小板の固まる作用が抑えられたことから、ホップには抗酸化作用があると結論づけられたのです。

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