ビールは古くから健康維持に用いられた歴史を持っており、近年ではその効果が科学的に立証されています。本連載では、「体の酸化」を食い止めるビールの健康効果について説明します。

老化予防に努めてほしい40〜50代の人々

私たちは、体内でつくられる抗酸化酵素だけでは処理しきれないほど、活性酸素を発生させる環境の中で日常生活を送っています。このままでは老化のスピードを速めるばかりか、ますます健康でいることが難しくなってきます。

 

特にストレスの多い40〜50代の人たちは、体内が酸化しやすい状況に陥っているため、今から意識して老化予防に努めなければ10年後、20年後の健康が危ぶまれます。

緑黄色野菜、魚に含まれる「抗酸化物質」を摂取する

では、体をサビつかせないようにするにはどうすれば良いのでしょう。もはや体内でつくられる抗酸化物質だけでは足りない以上、不足している分を体の外から補うしか方法はありません。

 

そこで注目されているのが、強い抗酸化作用を持つ「ファイトケミカル」という物質です。ファイトとは植物、ケミカルとは化学物質という意味で、植物が身を守るために作り出した抗酸化物質のことをいいます。

 

植物は、動物と違って自分では動くことができませんから、紫外線や虫などの害から身を守るために、自ら抗酸化物質を作り出して酸化を防いでいます。主に植物の色素や香り、苦味、渋みなどのもとになっている物質で、現在わかっているだけでも1000種類近くあります。ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなどが、その代表として知られています。

 

なかでも注目されているポリフェノールには、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、ゴマの成分が変化してできるセサミノール、そばに含まれるルチン、緑茶のカテキンと発酵茶(紅茶・ウーロン茶など)のテアフラビンの総称であるタンニンなどがあります。

 

カロテノイドは、緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれるβカロテンやリコピン、エビやカニなど甲殻類やサケやマスなどの魚が持つアスタキサンチンが知られています。

 

そこで、これらを多く含んでいる食品を積極的に摂ることで体内の酸化が防げるとして、サプリメントも多数登場するなど話題を集めています。

 

これらの抗酸化物質は、単独よりも数種類を組み合わせた方が効果的なこともわかっています。したがって、性質の異なるいろいろな抗酸化物質を上手に摂り入れて、活性酸素の害から体を守っていくことが必要です。

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

大川 章裕

幻冬舎メディアコンサルティング

ビールで病気を予防する⁉︎ ビールが老化や病気の原因となる「体の酸化」を防ぐ効果が高いと聞いたら驚く人は多いでしょう。 しかし、ビールは古くから健康維持に用いられた歴史を持っており、近年ではその効果が科学的に…

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