(※写真はイメージです/PIXTA)

中小企業のオーナー経営者が亡くなり、子どもが会社を引き継ごうとした際、問題となるのが自社株の相続税評価です。株式の評価額が高ければ、後継者は多額の相続税負担に直面しかねません。こうした問題を背景に、非上場株式の評価方法を見直す議論が進められています。一方、米国では、会社の収益力や将来性、株式の流動性などを考慮し、公正市場価値(Fair Market Value)を基準に評価します。日本と米国では、非上場株式の「時価」をどのように捉えているのでしょうか。その違いから、日本の事業承継をめぐる課題を考えます。

事業承継と相続税の公平性をどう両立させるか

たとえば、オーナーの死亡によって経営体制が大きく変わり、事業の継続や将来の収益に不確実性が生じる場合には、そうした事情を評価にどう反映するかが問題になります。また、株式の市場性が乏しく、売却が容易でない場合にも、その事情を考慮する余地があります。

 

ただし、後継者の経営能力が亡くなったオーナーより劣るという理由だけで、当然に株式の評価額が減額されるわけではありません。具体的な事情に応じて判断する必要があります。

 

日本の財務省も、ボーダレス化や国際化の重要性を繰り返し訴えています。しかし、財産の評価方法が国によって大きく異なる場合、海外の投資家や富裕層が日本に資産を保有するかどうかを考えるうえでも、評価制度のあり方は無関係ではありません。

 

事業承継を円滑に進めることと、相続税の公平性を確保すること。この両立を図るためには、現行の評価方法が実態に即しているのか、改めて検証する必要があるのではないでしょうか。

 

 

奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表

 

 

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