(※画像はイメージです/PIXTA)

金は今年最大の上昇率を記録した8月から反落したものの、FRBと米ドルによる逆風のなか、依然として約4,000ドルが重要な下値支持線として意識されています。経済や政策の不透明性の高まりを背景に、ポートフォリオの分散手段や通貨価値変動に対するヘッジとしての金投資需要は、今後一段と加速する可能性があります。金資産の優位性に改めて注目が集まるなか、今後2027年にかけてどのような推移を見せるのでしょうか。※なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの4名のストラテジストによる共同執筆です。

金のテクニカル面では主要なサポート水準に焦点が移る

金は8月の高値から反落し、10月に向けて重要となるテクニカル上のサポート水準が注目されています。金価格は、1オンス当たり約4,322ドルの50日移動平均線と約4,539ドルの200日移動平均線をいずれも下回っており、反発局面ではこの2本が上値抵抗線となる可能性があります。1月の高値を起点とする、より大きな下降レジスタンス・トレンドラインも依然として価格の上方に位置する一方、約4,000ドルの水準は引き続き重要なテクニカル上の下値支持線となっています※8。

 

夏場の上昇幅に基づくフィボナッチ・リトレースメントの水準を見ると、金価格は61.8%戻した水準の約4,231ドルを下回ったものの、次のフィボナッチ・サポートである約4,121ドルを上回る水準を第3四半期末まで維持しました。61.8%戻した水準を回復し、その上で推移し続ければ、値動きの安定化を示す最初の兆候となります。一方、4,121ドルを割り込めば、夏場の安値が次の重要な下値の目安となります※9。

 

金価格は、それでも約4,141ドルのボリンジャーバンド下限をわずかに上回る水準にあり、その直下でフィボナッチ・サポートが追加的に支えています※10。この価格帯で下げ止まれるかが、10月に向けた重要な試金石となります。この価格帯を上回る水準を維持できれば、約4,000ドルを軸とする下値支持の構造が幅広く保たれ、直近の反落はトレンドの本格的な悪化ではなく、より大きなもみ合いの範囲内にとどまっていることを示すものと考えられます。テクニカル面の構造は短中期的な値動きにとって引き続き重要である一方、長期的な金投資を支える根拠は引き続き、ポートフォリオの分散手段、通貨価値の変動に対するヘッジ、および流動性の高い代替準備資産としての金の構造的な役割となります。

 

出所:ワールドゴールドカウンシル、ブルームバーグ・ファイナンスL.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント、2026年6月30日時点。記載されているパフォーマンスは過去のパフォーマンスです。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。
[図表3]金価格上昇にもかかわらず、金の供給は依然として引き締まる★3
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