情報技術セクター:AI需要と業績改善が引き続き支援
10月は、情報技術セクターが市場の中心テーマとなっています。消費者向けAIエージェントの普及やAI関連投資の拡大を背景に、2027年に向けた業績見通しは引き続き改善しています。
長期金利の上昇は通常テクノロジー株に逆風となりますが、足元では利益成長の力強さがそれを上回っており、情報技術セクターは過去最高値を更新しました。機関投資家のポジショニングも過去5年間で最も高い水準まで上昇しています。
ヘルスケアセクター:景気減速懸念下で存在感が高まる
ヘルスケアは引き続き有望なセクターの一つとして位置付けられています。利益予想の
改善が広がりつつあり、2027年のEPS成長見通しも大きく改善しています。
加えて、生活必需品や公益事業など他のディフェンシブセクターを上回るパフォーマン
スが続いており、市場環境が不安定化するなかでも成長性と防御性を兼ね備えたセクター
として評価されています。
金利上昇:セクター間の明暗を分ける要因
長期金利の上昇の影響について触れたいと思います。
一般的には不動産や公益事業など金利感応度の高いセクターには逆風となる一方、過去
のデータを見ると、情報技術やヘルスケアは金利上昇局面でも相対的に良好なパフォー
マンスを示してきました。
また、金融セクターについては金利上昇の恩恵が期待される一方で、足元ではイールド
カーブのフラット化が逆風となっており、短期的にはやや慎重な見方が必要と考えられ
ます。
資本財セクター:製造業回復が利益成長を後押し
資本財セクターは短期的なパフォーマンスこそ冴えないものの、ファンダメンタルズ面
では改善が続いています。
製造業PMIが拡大圏を維持するなか、資本財セクター内では業績改善の裾野が広がって
おり、建設関連、輸送、航空宇宙・防衛など幅広い業種で2027年利益成長期待が高ま
っています。
資金フローとポジショニング:ディフェンシブに資金流入、機関投資家は依然テック選好
9月は公益事業や不動産への資金流入が目立ち、市場参加者がよりディフェンシブな領
域へ資金を移し始めている様子が確認されました。
一方で、機関投資家のアクティブ・ポジショニングは依然として情報技術セクターへ集
中しており、投資家のAI関連テーマへの強い確信は継続しています。
一般消費財セクター:利益見通しに改善の兆しは限定的
一般消費財セクターについては、依然として慎重な見方を維持しています。
業界全体で利益予想の下方修正が続いているほか、金利高止まりの見通しが消費関連企
業の重しとなっています。現時点では他セクターと比較して魅力は限定的と考えていま
す。
今後1カ月を見据えた注目点
今後は引き続きAI関連テーマの持続性に加え、長期金利の動向、製造業活動の推移、
そして米中間選挙を巡る政策期待などが注目材料となります。
現時点では、情報技術とヘルスケアが引き続き相対的に優位なポジションにある一方、
資本財は中長期的な改善余地を持つセクターとして注目しています。市場全体として
は、AI一辺倒ではなく、業績とファンダメンタルズを重視したセクター選別の重要性
がさらに高まっていると考えています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください。
山口美帆
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント
セクター・スペシャリスト
ヴァイス・プレシデント
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【資産防衛】10月14日(水)
約30年ぶりの世界的金利変動が生み出した
新たな「お宝保険」の全貌
【実物資産】10月24日(土)
「日本刀投資」は他の実物資産と何が違う?
希少性・鑑定・保存状態…「価値」を見極め方を解説
【不動産オーナー向け】10月29日(木)
<会員限定セミナーの特別版を一般公開>
金利上昇局面の今こそ知っておきたい!
「不動産×金融資産」の最適バランスと投資税務
