銀行員が考えるのは「自分の点数」だけ…
融資担当の銀行員は、いわば、営業マンです。なので、銀行内では営業成績が問われます。銀行員の営業成績は、さまざまな点数の積み重ねです。
「いくらの融資を獲得した。」
「口座を何件開設した。」
「引き落とし手数料を何件獲得した。」
などなど、あらゆることが点数化されます。もちろん、加点もあれば、減点もあります。
だから、
“こういってはなんなのですが…、ひとつご協力を願えませんでしょうか…。私共も実は年度末を迎えておりまして…。”
とか、
“えっ!一括のご返済ですか!そうなると、大きな違約金が発生しますよ!”
とか、
“この際、従業員のみなさんの給与振り込みを、私共でさせていただけませんでしょう
か?”
などなど、点数に繋がる提案をしてくるのです。
ひどい場合、必要もないのに、“ちょっと良い商品があるのですが…。”と言っては、余計な儲け話しをもちかけます。
まさに、自分の点数しか考えない、サラリーマン病の典型です。
各企業の「血液の循環」を見ておきたい銀行の思惑
ではなぜ、銀行は銀行員に、そのような営業ノルマを課すのでしょうか?
それは、各企業の血液の循環を見ておきたいのです。お金は企業の血液です。
どこから入り、どこへ出てゆくのか?入り口と出口を知りたいのです。
どの程度の流れがあるかわかれば、返せる力が弱いか強いか、つかみやすくなります。
健康状態がわかりやすくなるのです。
それに、入り口だけだと、銀行にお金がたまるだけです。それでは銀行も困ります。ただでさえ、金あまりなのです。出口を確保したいのです。
だから、給与振込みや業者振込みの獲得は、銀行にとって、入り口と出口を確保できる、おいしいサービスなのです。
しかも、手数料まで、もらえるのです。まさに、一石二鳥です。
良くも悪くも、銀行員は、ひとりのサラリーマンです。自分の売上が一番の関心ごと、なのです。
“あの銀行には、長くお世話になっているから。”などと、安易に流されては、いけないのです。