「出口」から逆算する不動産リスク
筆者のもとにも、離婚や相続をきっかけに共有状態となり、当事者同士では話し合いが進まなくなった不動産について相談が寄せられます。相談者の多くは、「相手が感情的で話にならない」と口にします。しかし、詳しく話を聞くと、問題は感情だけではありません。
現在の査定額も、住宅ローンの残高も把握していない。売却後にどこで暮らすのかも決まっていない。――それにもかかわらず、「自分が住む」「相手に出ていってもらう」という点だけを主張し合っているケースは少なくないのです。
離婚すれば夫婦関係は終わりますが、不動産の共有関係まで自動的に解消されるわけではありません。人間関係が壊れたあとも不動産と借金は残ります。
だからこそ、離婚届を出す前に確認して不動産会社に相談すべきことがあります。
・現在の査定額
・住宅ローンの残高
・夫婦の共有持分の割合
・毎月の返済額
そのうえで、「誰が住むのか」「いつ売却するのか」「費用をどう負担するのか」「一方が住み続けるなら、相手の持分を買い取れるのか」といった具体的な実行できる条件まで決めておく必要があります。
「子どもが卒業したら考える」「仕事が落ち着いたら売る」「相手が冷静になったら話し合う」――こうした曖昧な約束は、問題の先送りにすぎません。人間関係が壊れたあとに、冷静な合意をつくるのは簡単ではないでしょう。関係が維持できているうちに、不動産の「出口」まで決めておくことが重要です。
萩原 峻大
東京財託グループ 代表
資産形成・経営アドバイザー
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