贈与と相続を「一つの枠」で考える米国
米国の制度を理解するうえで重要なのが、贈与税と遺産税を別々のものとして考えないことです。生前に大きな贈与を行えば、その分だけ生涯の控除枠を使うことになります。
そして、亡くなった時点で残っている財産についても、遺産税の対象となる可能性があります。つまり米国では、「生前に贈与するのか、それとも相続させるのか」という選択を、贈与税と遺産税を一体として考える必要があります。
値上がりした株や不動産は「相続」が有利になる場合も
さらに米国の相続を考える際に重要なのが、いわゆる「ステップアップ」です。
米国では、原則として死亡時に相続した資産の取得価額が、その死亡時の公正市場価値(時価)に引き上げられる仕組みがあります。
たとえば、親が10万ドルで購入した住宅が、亡くなった時点で80万ドルになっていたとします。
この住宅を子が相続した場合、原則として子の取得価額は死亡時の80万ドルを基準とすることになります。
その後、子が80万ドル程度で売却すれば、親が購入した10万ドルとの差額70万ドルについて、親が保有していた期間の値上がり益まで子がそのまま課税されるわけではありません。
これは、含み益のある不動産や株式などを生前に贈与する場合と比べ、相続による資産移転に一定の意味を持たせる制度です。そのため、米国では「値上がりした資産を生前に贈与するのか、相続させるのか」という点も、税負担を考えるうえで重要になります。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部が
主催する「資産家」のためのセミナー・イベント
【10月14日(水)開催】
資産規模5億円以上の方こそ知っておきたい
「家族信託」の実践活用術
<第2回/会社オーナー・不動産オーナー実践例>
【10月15日(木)開催】
税制改正で変化!相続税対策としての「生前贈与」
“直前対策”から“長期計画”へ…
資産税専門のベテラン税理士が徹底解説
【10月15日(木)開催】
30年以上の安定的運用実績を誇る
「世界最大手マルチ・ストラテジー・ファンド」に
日本から個人投資家がアクセスできる貴重な機会
【10月17日(土)-18日(日)開催】
「スマホの中の遺産」家族は見つけられますか?
“エンディングノート”で残す、デジタル遺産・収益不動産・相続財産情報
【AI時代の「家族承継」実践編】
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

