法人税率を引き上げれば、本当に税収は増えるのか
2027年度から実施される食料品の消費税率1%への引き下げによる税収減は、単年度で約4兆4,000億円といわれています。その財源として、法人税率の引き上げを求める意見もありますが、経済団体などは反対を表明しています。
法人税率の引き上げによって、この減収分を補おうとするのであれば、どの程度の税率引き上げが必要になるのかという問題もあります。さらに、税率を引き上げた場合に企業活動や法人税収そのものにどのような影響が生じるのかも考える必要があります。
税率を上げれば、必ず税収がその分だけ増えるとは限りません。企業の利益や投資、国内外の事業活動などが変化すれば、課税ベースそのものが変わる可能性があるからです。
納税している黒字法人は「4割前後」という現実
また、日本では黒字法人のうち法人税を納めている法人の比率は40%前後で、残りの約60%は欠損法人です。
仮に法人税率を引き上げても、影響を受けるのは約40%の法人にとどまり、約60%の法人には直接的な影響がないことになります。
もちろん、法人税率の引き上げによる影響は、単純に黒字法人だけに限られるわけではありません。しかし、消費税減税による約4兆4,000億円の税収減を法人税だけで埋めることを考えた場合、課税対象となる企業の状況を踏まえる必要があります。
2025年度の法人税収は19兆2,450億円です。これと比較しても、食料品の消費税率1%への引き下げによる約4兆4,000億円という減収額は小さくありません。
