消費税減税の財源を法人税だけに求めてよいのか
消費税減税の財源を確保するのであれば、法人税だけに負担を求めるのではなく、所得税や相続税なども含めて幅広く財源を検討するべきでしょう。
法人税は企業活動にかかわる税であり、企業が国際的に活動する現在では、税率だけを引き上げれば税収を確保できるとは限りません。各国が法人税率の引き下げ競争を行ってきた背景には、企業誘致や国際競争力を意識した事情があります。
一方で、消費税は幅広い消費者が負担する税であるため、その減税による税収減をどの税目で補うのかは、税制全体のバランスから考える必要があります。
2025年度の法人税収は19兆2,450億円です。食料品の消費税率1%への引き下げによる単年度約4兆4,000億円の税収減を考えれば、法人税だけで財源を確保することには限界があります。
消費税減税の財源については、法人税だけに負担を集中させるのではなく、所得税や相続税などを含め、どの税目からどの程度の財源を確保するのかを総合的に考える必要があります。
現時点では、どの政党も民間の機関も、消費税の基本税率10%を引き上げる案を示してはいません。そうしたなかで、食料品の消費税率1%への引き下げによって生じる約4兆4,000億円の減収を、どのような税制で補うのかは、今後の大きな論点になるでしょう。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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