留学生は米国の研究やスタートアップにも貢献
こうした制度変更については、教育関係者だけでなく、ビジネス界からも懸念や不安の声が上がっています。その背景には、留学生が米国の大学や研究機関だけでなく、スタートアップなどの産業分野でも重要な役割を担ってきたという事情があります。
『フォーブス』の報道によれば、米国のビリオネア級スタートアップ企業の創業者の約4分の1が、留学生として米国に渡ってきた経歴を持つとされています。
また、コンピューター・情報科学では留学生が85%、電気・コンピューターエンジニアリングでは75%、数学・統計学では62%を占めるとされます。
このように、米国の大学には世界各国から学生が集まっており、研究開発や企業活動を支える人材となっています。
ビザと税金は別の問題…「183日ルール」にも注意
ここで、日本人留学生が理解しておきたいのが、ビザのルールと税法上のルールは別の制度であるという点です。
ビザによって米国にどれだけ滞在できるのかという問題と、税法上の「居住者」「非居住者」のどちらに該当するのかという問題は、それぞれ別に判断されます。
米国の税法では、原則として「Substantial Presence Test(実質滞在期間テスト)」によって、税法上の居住者に該当するかどうかを判定します。
一般に「183日ルール」と呼ばれるものですが、単純にその年に183日以上滞在したかどうかだけで判断するわけではありません。過去3年間の滞在日数を一定の計算式に当てはめて判定します。
ただし、F-1など一定の学生ビザを持つ学生は、一定の要件を満たす場合、「Exempt Individual」として、この滞在日数のカウントから除外されます。
つまり、学生として米国に長期間滞在していても、直ちに米国の税法上の居住者になるわけではありません。
ここで注意したいのは、「Exempt」は税金そのものが免除されるという意味ではないことです。あくまでSubstantial Presence Testにおける滞在日数のカウントから除外されるという意味です。
