親が亡くなったら「30万点の遺品」が残る?アメリカの相続で問われる「大量の家財」の処分方法【国際税理士が解説】

親が亡くなったら「30万点の遺品」が残る?アメリカの相続で問われる「大量の家財」の処分方法【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国では、親が亡くなった後に残される大量の家財が、相続人の大きな負担になることがあります。高齢者やその家族の「引っ越し・住み替え・生前整理」を支援する非営利の職能団体であるNational Association of Senior & Specialty Move Managers(NASMM)の調査では、1軒の家にナイフやフォーク、衣服などを含め、平均30万点ものアイテムがあるとされます。これらを子どもや孫がすべて引き継ぐことは現実的ではありません。そこで、売却やチャリティ団体への寄付、エステート・セールなど、さまざまな方法で整理することになります。特にアートやアンティークなど価値の高いアイテムについては、アプレイザル(鑑定評価)や税務上のルールも関係してきます。米国では、親の死後に残された「モノ」をどのように整理しているのでしょうか。

チャリティ団体も「何でも受け取る」わけではない

「それなら、不要なモノはすべてチャリティ団体に寄付すればいい」と考えるかもしれませんが、受け取る側にも事情があります。

 

大型家具やアートなどを受け取れば、トランスポート・コスト(輸送費)がかかります。さらに、ストレージ・コスト(保管費)、メンテナンス・コスト(維持管理費)、インシュアランス(保険)、スタッフの人件費なども必要になります。チャリティ団体にとっても、寄付アイテムを無条件に受け入れることはできないのです。

 

せっかく寄付されたモノでも、保管や管理に多額のコストがかかれば、チャリティ活動に使える資金が減ってしまうからです。

 

そこで、比較的身近な選択肢となるのが、リサイクル型のチャリティ団体への寄付です。米国では、GoodwillやSalvation Armyなどがよく知られています。まだ使える衣服や家具、日用品などをこうした団体にドネーションすれば、必要としている人のもとに渡ったり、販売によってチャリティ活動の資金になったりします。

「早く家を空にしたい」ならエステート・セール

寄付が難しい場合には、Estate Sales Managers(エステート・セールの運営業者)を利用する方法もあります。エステート・セールとは、亡くなった人の遺品などを含め、住宅内の家具や家財をまとめて販売する方法です。

 

専門業者に依頼すると、業者が家を訪問し、家具や家財など一つひとつのアイテムのプライスを設定します。そのうえで、必要に応じてアイテムをウェアハウス(倉庫)などに保管し、オークションなどを通じて販売します。業者によって異なりますが、総売上の30~50%程度をコミッションとして受け取るケースもあります。

 

売却する側からすると、かなりの割合を業者に支払うことになりますが、家の中にある大量のアイテムを自分ですべて仕分けし、写真を撮り、プライスを調べ、バイヤーを探して販売することを考えれば、その手間を業者に任せられるメリットは大きいでしょう。

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