(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者にとって税務調査は、何度経験しても慣れないイベントのひとつです。しかし、税務調査官が重点的に確認するポイントはあらかじめ決まっており、事前の備えと正しい知識があれば予想外のペナルティを防ぐことができます。本記事では、税理士法人グランサーズ共同代表の黒瀧泰介氏が、税務調査における15のチェックポイントと、調査官の前で決して口にしてはならないNG対応について解説します。

資金移動に潜む「4つ」の不正

社長個人と会社のあいだで行われる資金移動は、公私混同が生じやすいため、厳格な税務処理が求められます。

 

12.役員借入金の過度な膨張

会社の資金繰りを助けるために、社長が個人のポケットマネーから会社にお金を貸し付ける行為自体は問題ありません。しかし、社長の役員報酬額に見合わない何千万円もの貸付金が累積しているような場合、売上の除外や他の不自然なルートからの資金提供を疑われます。

 

13.役員貸付金に対する利息の未計上

会社が社長にお金を貸している場合、会社が適正な「利息」を計上しているかどうかが重点的にみられます。法人と個人は法律上、まったくの別人格であり、会社はお金を貸す際に利息を受け取ることが義務づけられているためです。

 

利息を計上せず、返済も滞っている場合、貸し付けではなく「役員賞与」とみなされ、社長個人の所得税や住民税、社会保険料が急増するほか、源泉徴収漏れのペナルティが科されます。

 

14.関連会社との不自然な取引

複数の会社を持つこと自体は、業務上明確な必要性があれば問題ありません。しかし、本来なら1つの会社で出るはずの利益を、消費税の回避や利益移転を目的に、不自然な金額や実態のない取引で売上や経費を付け替える行為は、租税回避行為として厳しく追及されます。

 

この場合、複数の会社に同時に調査が入る可能性が高くなります。

 

15.固定資産を「修繕費」で処理

たとえば、建物の壁の塗り直しや壊れた部品の修理について、元の状態に戻すだけであればその年の「修繕費」として一括経費にできます。

 

しかし、建物の価値を高める改良や、耐久性を向上させる工事を行った場合は資本的支出となり、「固定資産」として数年かけて減価償却しなければなりません。修繕費か、資本的支出かという区分は実務上の判断が難しいため、税理士などに相談することをおすすめします。

 

次ページ税務調査でやってはならない「2つ」のNG行為

※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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