「辞める勇気はありませんでした」…誰にも惜しまれず“10m先の席”へ。〈年収900万円〉53歳会社員、誇りだった「部長の肩書」を失った日

「辞める勇気はありませんでした」…誰にも惜しまれず“10m先の席”へ。〈年収900万円〉53歳会社員、誇りだった「部長の肩書」を失った日
(※写真はイメージです/PIXTA)

「自分のやり方は間違っていない」――。かつて自分も上司からきつく指導され、それを乗り越えて営業部長にまで上り詰めた。だからこそ、「部下も厳しく鍛えれば成長する」と信じていた53歳の男性。定年まで自分のやり方で部下を率いていくつもりでしたが、転職してきた新人の登場で、これまで積み重なっていた部下たちの不満が一気に表面化します。「変化できない人」を待ち受けている厳しい現実とは?

28歳の転職社員が放ったひと言、一変したチームの空気

定例のチームミーティング。中沢さんが、いつものように契約を取れない部下を厳しく追及していると、その新入社員が手を上げました。

 

「あの、そんな風に言われても、萎縮するだけじゃないですか?」

 

当然、中沢さんにとっては面白くありません。

 

「入社してきたばかりだからわからないかもしれないけど、こうしないと数字は伸びないんだよ」

 

そう返した中沢さんでしたが、その社員は引きません。

 

「本当にそうでしょうか?」

 

ちょうどそこで会議の時間が終わりました。ところが、この一件を境に、チームの空気が変わります。これまで誰も正面から口にしなかった不満が、一気に表面化したのです。

 

「あのやり方は、やっぱりおかしいよね。時代錯誤だよ」
「あの人のせいで、何人辞めたんだろう」

 

そんな声が社員の間で聞かれるようになり、やがて人事に「パワハラをされた」と訴える社員まで現れました。

 

次ページ“社内左遷”へ…「退職か、残るか」迫られた決断

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