「厳しさが部下を成長させる」――53歳・体育会系営業部長の持論
中沢さん(仮名・53歳)は、地方の大都市にある企業で長年、営業畑を歩んできたサラリーマンです。大学卒業後から営業一筋。年収は約900万円です。
「私は、“仕事は厳しいものだ”と思って生きてきたんですよね」
学生時代はずっと野球に打ち込み、目上の人からの厳しい指導が当たり前の環境。社会人になってからも、上司や先輩から時には厳しい叱責を受けながら仕事を覚えてきました。
文句があるなら、歯を食いしばって結果を出せばいい――。中沢さん自身、そうして20代後半から営業成績を伸ばし、後輩の指導も任されるように。やがて営業部長に昇進したのです。
会議では成績の振るわない部下をチームメンバーの前で問い詰めたり、報告書に間違いがあれば「そんなこともわからないのか」と叱ったり。自分がそうやって育てられてきたように、部下に厳しく接することが「本人が成長するため」だと信じていました。
それは、周囲から見れば別の姿に映っていたのかもしれません。
それでも、中沢さんはこのまま60歳まで走り切るつもりでした。退職金を満額もらい、その後は65歳まで雇用継続で働く。慣れ親しんだ会社でサラリーマン人生を終えるつもりだったのです。
ところが、その計画はもろくも崩れ去ります。きっかけは、「地元で働きたい」と東京からUターンしてきた28歳の男性が転職してきたことです。
