「お袋のことよろしくな」…母の面倒を託された下の娘
「私の考えが甘すぎたんです……」
里美さん(52歳)は、強い後悔と徒労感に襲われていました。
里美さんは実家から車で20分ほどの場所に住み、2人の子どもを育てながらパート勤務を継続。父が亡くなってからは、実家で一人暮らしをする86歳の母を心配し、週末ごとに買い物や掃除などの世話に通っていました。
きょうだいは3人。兄と姉は県外に出て家庭を築いており、距離を理由に母の見守りは自然と近くに住む里美さんが担うようになっていました。
母も近くで支えてくれる里美さんを頼りにし、「いつもありがとう。私が死んだら、実家もわずかな貯金も、全部里美に多く残すからね」と口にしていました。
兄と姉もまた、口を揃えてこう言っていたのです。
「実家もお金も全部譲るから、お袋のことよろしくな」
「遠くて何もできなくてごめんね。里美がいてくれて本当に助かる!」
里美さん自身、昔子どもを母に預けた恩もあり、「できる限りのことはしよう」と思っていましたし、実家の不動産や預貯金を合わせれば1,500万円ほどになると聞いていたため、受け入れていた部分もありました。
しかし、それはあくまで、買い物の手伝いや病院の付き添い程度のサポートをしていた当時の考え。本格的な介護の現実は、想像をはるかに絶するものだったのです。
