統制とは何か
測定によって、リスクの「所在」と「規模」が明らかになりました。加藤社長が直面したのは次の問いです。「では、どうするのか?」
・A地域とB地域で労働時間に大きな差がある―単純に人を移せばいいのか?
・未払賃金1,200万円―どう対処すればいいのか?
・過労死ラインまであと20時間―これは、どれくらい深刻なのか?
測定は「現状を知る」ためのステップです。しかし、現状を知っただけでは、リスクは減りません。経営者は、測定結果を踏まえて「判断」し、その判断を「制度」と「運用」に反映させる必要があります。
これが、MCRIサイクルにおける「C(統制:Control)」です。統制とは、経営の意思を、制度と運用に落とし込むことです。経営の意思が現場に伝わり、実際に機能するためには、制度と運用に落とし込む必要があります。
統制は、3つの階層で機能します。
1.制度の設計
就業規則、賃金規程、評価制度など、会社のルールを定めること。
例:「配送中の休憩時間を30分以上取得する」というルールを就業規則に明記する。
2.運用のルール
制度を実際に運用するための具体的な手順やガイドラインを定めること。
例:「休憩時間の取得状況を毎週チェックし、未取得者には上司が声をかける」という運用ルールを定める。
3.日々のマネジメント
現場の管理職が、制度と運用ルールに基づいて、日々の業務を管理すること。
例:営業所長が、ドライバーの勤怠記録を毎日確認し、休憩時間が取れていない場合は配送スケジュールを調整する。
この3つの階層がすべて機能して初めて、「経営の意思」が現場に浸透します。
統制が機能しない場合、当然ですが測定してもリスクは減りません。制度があっても、運用されなければ意味がありません。逆に、運用だけがあっても、制度(ルール)がなければ、属人的な判断に依存し、リスクが蓄積します。
金山 杏佑子
社会保険労務士事務所ヨルベ
代表社会保険労務士
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【事業投資】8月22日(土)オンライン開催
ドバイ発「ダイヤモンド事業投資」の最新事情
原石から製品まで一貫管理の独自スキームを公開
【海外不動産投資】8月30日(日)会場開催
大和ハウス工業が事業参画!
米国・ウエストニューヨーク「分譲マンション」の全貌


