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父が溶かした退職金【上巻】・【下巻】
小林篤典(著)+ゴールドオンライン(編集)
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コンビニで弁当が買えるのは、経営側が「欲張り」だから
筆者が空腹を感じたときにコンビニで弁当を買えるのは、筆者が弁当代に使えるお金を持っているからですが、それだけではありません。自宅近くにコンビニがない、せっかくコンビニがあっても弁当が売り切れている…という状況だったら、いくらお金を持っていても弁当は買えないからです。
しかし幸いなことに、筆者の自宅近くにはコンビニがあり、そこにはたいてい複数の弁当を売っています。
では、筆者がそんな幸運にあずかれるのは、経営者や店員が「周囲の人々をお腹いっぱいにしてあげたい」という優しい気持ちを持っているからでしょうか? そうではありませんね。
コンビニの社長が「ここに店を出せば会社が儲かる」と考えたから、そこにコンビニを出店させたのでしょうし、店員は「仕入れれば売れて儲かる」と思ったから、弁当を仕入れたのでしょう。つまり、コンビニの出店も弁当の仕入れも、社長や店員が「儲けたい」という考え、つまり「欲張りな考え」を持っていることで実現しているのです。
社長が欲張りでなければ「ここに店を出せば儲かるだろうが、面倒だからやめておこう」と思うでしょうし、店員が欲張りでなかったら「空っぽの棚に仕入れた弁当を置けば儲かるだろうが、面倒だからやめておこう」と思うでしょう。
社長や店員に「頑張って金を稼ごう、給料を増やそう」という欲がなければ、筆者は弁当が買えないのです。
共産主義の失敗は、人々の「欲張りな気持ち」を否定したから
かつて、ソ連という国がありました。今のロシアと周辺国が「共産主義」を掲げ、欲張りを否定していたのです。「欲張りはいけないから、企業はすべて国有企業とし、社員の給料は全員同じにする」というわけです。
社員が全員平等だと聞けば、理想的な会社のように思えますが、結果は悲惨なものでした。「働いても働かなくても給料が同じ」ということで、皆が仕事をサボるようになったのです。
その結果、全員が等しく貧しくなってしまったのですね。
