(※画像はイメージです/PIXTA)

「繰り下げれば年金額が増え、残された家族も安心」。そう信じて繰下げを選んだ元公務員の夫が73歳で急逝したとき、妻に提示された遺族厚生年金は、想像を大きく下回るものでした。繰下げで増えた分は遺族年金に反映されず、自分の年金との併給調整も入る。これは個別の事例ではなく、公的年金の明確なルールに基づく結果です。最新の統計と制度を基に、世帯全体でどう判断すべきかを整理します。*本記事は、社会保険労務士への相談でよく見られる事例を基に、個人が特定できないよう再構成しています。

【事例】元公務員、真面目な性格だった夫が73歳で亡くなった

都内在住のAさん(71歳/専業主婦)は、昨年、長年連れ添った夫・Bさん(当時73歳)を脳梗塞で突然亡くしました。

 

Bさんは現役時代、地方自治体で定年まで勤め上げた公務員でした。長年の勤務と管理職としての実績から、旧職域加算(経過的職域加算)なども含めた65歳時点での年金受給権は月額約22万円ありました。退職後も再任用されたり、関連団体の役員として収入があったりしたことや、長男Cさん(40代)からの勧めもあり、「75歳まで受給を遅らせて、満額の84%(亡くなった73歳時点でも67.2%増)まで年金を増やし、妻にたくさん残そう」と年金の繰下げ受給を選択していました。

 

真面目な性格のBさんは「国の制度に従って繰り下げておけば、万が一のときも妻に十分な資産が残せる」と信じて疑っていなかったのです。

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