「便器からネズミが…」「高級車が巣に…」マンション住民の悲鳴。相次ぐ“野生動物トラブル”で問われる管理責任の所在【マンション管理士が警鐘】

「便器からネズミが…」「高級車が巣に…」マンション住民の悲鳴。相次ぐ“野生動物トラブル”で問われる管理責任の所在【マンション管理士が警鐘】
(※写真はイメージです/PIXTA)

マンションで起こるトラブルといえば、設備の故障や騒音問題が定番ですが、近年は蛇やネズミ、ハトなどの野生動物に関する“想定外の事態”が増加しています。「共用部分で起きたことだから管理組合が責任を負うはず」と思われがちですが、果たしてそうなのでしょうか。あるマンションの理事長が直面した「専用庭の蛇」や「ネズミによる高級車の被害」という事例をもとに、トラブルの責任の所在についてマンション管理士の松本洋氏が解説します。

便器からネズミが飛び出す…「都市の生態系変化」で相談増加

管理会社によれば、近年はネズミや蛇、ハトなど野生動物に関する相談が以前より目立っているそうです。背景として指摘されるのが、都市部の生態系の変化です。

 

カラスの減少により、ネズミなど小動物が増えやすくなった可能性があるとの見方もあり、さらにネズミが増えることで、それを餌とする蛇が住宅地へ入り込むケースも考えられます。加えて、温暖化や都市開発、ごみ管理の状況、建物の老朽化など、さまざまな要因が複雑に影響しているとみられています。

 

トイレの便器からネズミが飛び出すことも

ネズミ被害が起きる場所は、ごみ置き場だけではありません。実際に管理会社には、「深夜、トイレへ入ったら便器のなかからネズミが飛び出してきた」という相談が寄せられたこともあります。

 

ネズミは下水道から排水管を通じて便器内へ侵入することがあり、古い排水設備ではまれに発生する事例として知られています。住民にとって精神的な衝撃は大きく、建物全体での防鼠対策や排水設備の点検が重要となります。

 

総会では「猫でネズミ退治」の提案も

あるマンションでは、防鼠対策費用を総会で審議していた際、高齢の組合員から「猫を飼っている住戸があるのだから、猫にネズミを捕ってもらえばいい」との発言がありました。

 

しかし、「飼い猫を共用部分で放し飼いにはできない」「動物福祉の観点からも問題がある」「住民同士の新たなトラブルを招く」といった反対意見が相次ぎ、提案は採用されませんでした。

 

最終的には、専門業者による防鼠対策と侵入経路の調査・封鎖を実施する方針が承認されました。

 

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佐伯 知哉

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