(※写真はイメージです/PIXTA)

妻を亡くし、年金月8万円で暮らす元職人の父親。生活を支えていたのは、一人息子から毎月送られる仕送りでした。しかし、何気ない酒場での一言をきっかけに、息子が知ることになる父の“まさかの金の使い道”。現役世代が背負う親への仕送りの重みと、支える側・支えられる側、それぞれの思いを見ていきましょう。

行きつけの居酒屋の帰り道…息子からつきつけられた一言

事件が起きたのは、息子の孝太郎さんが久しぶりに実家へ帰ってきた週末のこと。 「せっかくだから飲もうか」。そう誘われ、二人は修造さんが昔から通う地元の居酒屋へ。席に着くなり、常連客のひとりが孝太郎さんへ笑顔で声をかけます。

 

「修造さんの息子かい? お父さんにはいつも世話になってるよ。この前も将棋の帰りに『今日は俺が払う』って出してくれてさ。本当に太っ腹なんだよ」

 

「いや……まあ、仲間だからな」

 

慌てて笑って話を流そうとします。しかし、孝太郎さんは父の顔をじっと見つめたまま。店を出るまで、ほとんど会話はありませんでした。そして、駅へ向かう道すがら、孝太郎さんが静かに口を開きました。

 

「父さん、さっきの話……本当なのか。先月、『電気代も厳しい』って電話してきたよな。だから俺、小遣いをゼロにして、娘に出かけるのも我慢させて5万円を送ったんだ」

 

その言葉には呆れと諦めが滲み出ていました。

 

「俺の仕送りで飲んだ酒はうまかった? ……もう二度と仕送りはしないよ。これからは、どうにか自分でやっていって」

 

タクシーが走り去ったあとも、修造さんはその場から動けませんでした。

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