「必要ない人は来ないでほしい」…〈年金月15万円・82歳〉病院の“常連おばあちゃん”に向けられた20代会社員の本音。それでも通い続ける理由

「必要ない人は来ないでほしい」…〈年金月15万円・82歳〉病院の“常連おばあちゃん”に向けられた20代会社員の本音。それでも通い続ける理由

「病院で長話をする高齢者がいて困る」。そんな声を耳にすることがあります。75歳以上の多くは後期高齢者医療制度の対象となり、外来受診の自己負担は1割~3割。「医療費が安いから何度も通うのでは」と見られがちですが、実際には、年金生活に余裕がある人ばかりではありません。混雑する町の内科で見えたのは、お金だけでは語れない高齢者の孤独と社会保障が抱えるもう一つの課題でした。

「迷惑なお年寄り」と決めつけられない理由

前述の通り、75歳以上になると後期高齢者医療制度の対象で、医療費の自己負担が原則1割になります。このため「安いから高齢者は何度も病院へ行くのでは」 というイメージを持たれることがあります。

 

実際、後期高齢者医療制度では、窓口負担以外の費用を公費や現役世代からの支援金などで支えています。必要性が低い受診が積み重なれば、医療費全体の増加につながることは否定できません。

 

そのため「不要な受診を減らすべきだ」という意見も当然あるでしょう。しかし、病院から高齢者を遠ざけるだけでは、根本的な解決にはなりません。なぜなら、その人たちが本当に求めているものは、薬ではなく「人とのつながり」である場合も少なくないからです。

 

かつては商店街で立ち話をし、近所を散歩すれば知り合いに会えました。老人クラブや町内会も、自然な交流の場として機能していました。ところが現在は、そうした地域のつながりが薄れています。結果として、「誰かと話せる場所」が病院しか残っていない高齢者もいるのです。

 

待合室で見かける“常連さん”を、「迷惑な人」と切り捨てるのは簡単です。しかし、その姿は、地域のつながりの希薄化や、高齢者の孤立という社会課題を映す鏡でもあります。

 

地域サロンや公民館、ボランティア活動、シルバー人材センター、気軽に立ち寄れるコミュニティスペース――。病院以外に「おはよう」「元気そうでよかった」と声を掛け合える場所が増えれば、医療機関が担う役割も少しずつ変わっていくかもしれません。

 

 

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