「確定申告」が不法移民摘発につながる? IRSの納税データで居場所を特定、最高180万ドル請求も…トランプ政権が進める強硬移民政策【国際税務の専門家が解説】

「確定申告」が不法移民摘発につながる? IRSの納税データで居場所を特定、最高180万ドル請求も…トランプ政権が進める強硬移民政策【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

トランプ政権は、不法移民対策を一段と強化しています。移民税関捜査局(ICE)による摘発だけでなく、内国歳入庁(IRS)が保有する税務情報の活用や、国外退去命令に従わない不法移民に対する1日998ドルの民事罰の適用など、これまでにない手法を組み合わせた取り締まりが進められています。なかでも注目されているのが、確定申告の情報が不法移民の所在把握に利用される新たな運用です。移民政策と税務行政が交差する異例の取り組みは、米国内で大きな議論を呼んでいます。『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』の著書がある奥村眞吾税理士が詳しく解説します。

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強硬姿勢を鮮明にするトランプ政権の不法移民対策

トランプ政権は、不法移民対策を最重要政策の一つに位置付け、移民税関捜査局(ICE)による摘発や国外退去を加速させています。

 

街中や職場などで突然拘束する執行の様子がSNSなどで拡散されたことから、「過度に強硬な取り締まりではないか」との批判も高まっています。

 

また、一連の摘発に関連した事案では米国市民が死亡するケースも発生しており、強制執行のあり方を巡る議論は全米へ広がっています。トランプ政権の移民政策に対しては、人権団体だけでなく、一部の保守層からも懸念の声が上がっています。

なぜ不法移民が確定申告を行うのか

日本では、不法滞在者が自主的に確定申告を行うことは考えにくいかもしれません。しかし、米国では事情が異なります。

 

不法移民であっても、将来的に永住権(グリーンカード)の取得や在留資格の変更を希望する人の中には、納税実績を積み重ねることで「法を守る納税者」であることを示そうと考え、自主的に確定申告を行うケースがあります。

 

こうした人々は、ソーシャル・セキュリティ番号(SSN)を持っていないため、IRSが発行する個人納税者番号(ITIN:Individual Taxpayer Identification Number)を取得し、その番号を使って確定申告を行っています。

 

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