(※写真はイメージです/PIXTA)

親の年金が少ないと知れば、「足りない分は自分が支えなければ」と考える子どももいるでしょう。家計の詳細まで確認せず、必要額が曖昧なまま仕送りを続けるケースもあります。善意の援助であっても、互いの認識が違えば思わぬすれ違いにつながります。

「俺は何のために節約してきたんだ」初めて確認したお金の話

正志さんは、怒りより先に戸惑いを感じました。

 

「足りないと思って送っていたんだから、必要ないなら言ってくれればよかったのに」

 

すると幸子さんは、「何度もいらないと言ったじゃない」と答えました。

 

確かに記憶はありました。ただ正志さんは、それを母親特有の遠慮だと思い込んでいたのです。

 

一方、幸子さんにも事情がありました。築40年を超えた自宅では、給湯器や屋根など、いつ大きな修繕費が必要になるかわかりません。年金だけで日常生活は送れても、まとまった出費への不安はありました。

 

そのため仕送りを返すのではなく、「いざというときのために」と残していました。

 

「でも、自分たちの老後だってある。正直、毎月15万円は楽じゃなかったよ」

 

正志さんがそう打ち明けると、幸子さんは初めて息子の負担の大きさを知ったといいます。

 

話し合った結果、毎月15万円の仕送りはやめることにしました。今後は固定額を送るのではなく、大きな修繕などが必要になった際に相談することにしました。

 

なお、親子など扶養義務者から受け取る生活費については、通常必要と認められる範囲で、必要な都度生活費に充てるものであれば贈与税がかからないとされています。一方、国税庁は、生活費として受け取った金銭でも、使わず預貯金となった部分などは贈与税の対象となる場合があると説明しています。仕送りを長期間貯めている場合は、金額や状況によって税務上の確認が必要です。

 

正志さんは現在、母親とは年に一度、固定資産税や光熱費、家の修繕予定などを確認するようになりました。

 

「親のお金を細かく聞くのは失礼だと思っていたんです。でも、知らないまま勝手に心配して、自分で勝手に15万円と決めていたんですよね」

 

「いくら送れるか」ではなく、「実際にいくら必要なのか」。少し話しづらいお金の話こそ、支援を長く続けるためには避けて通れないのかもしれません。

 

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