「夜景を見てほっとした」
前に住んでいた部屋はすでに別の人が入居していたため、駅から徒歩15分ほどの築古アパートを借り直しました。家賃相場が上がっているなか6万7,000円の物件を選んだため、以前よりも古く、駅から遠く、そして狭くなりました。
そして、移住するために使った数百万円の貯金をカバーするため、警備のアルバイトも始めました。それでも、水沢さんは納得して暮らしています。
「東京って、夏は猛烈に暑いわ、人は多いわ、物価も家賃も高すぎるわ、でしょ? それでも、戻ってきて夜景を見た時、なんだか安心しちゃったんだよ。なんだかんだいって、この雑多で便利な感じに慣れちゃってたんだね」
駅も病院もスーパーも徒歩圏内。車はいりません。思い立ったら電車一本で美術館にも映画館にも行けます。
「便利さって、お金で買えない価値なんだよ」
老後の移住は「住みたい場所」より「暮らせる場所」
公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構によれば、2025年の移住相談は過去最多、初めて7万件を突破。移住への注目度が上がっていることがうかがえます。
地方移住は、家賃の安さや自然の豊かさなど多くの魅力があります。「移住してよかった、成功だった」……そう思う人も多いでしょう。
一方で、車が前提の生活や医療機関へのアクセス、人間関係、買い物の利便性など、実際に暮らしてみなければわからないことも少なくありません。
特に高齢になると、一度生活基盤を移した後に再び戻るには大きな費用と労力がかかります。老後移住を考えるのであれば、旅行とは違う視点で現地に滞在し、季節ごとの暮らしや日常生活を体験したうえで判断することが、後悔を防ぐ第一歩といえるでしょう。
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