(※写真はイメージです/PIXTA)

仕事や子育てを終えれば、自分のために使える時間が増える。そんな生活を思い描いている人もいるでしょう。しかし、掃除や洗濯、食事の支度といった家事に定年はありません。夫婦ともに仕事を離れた後も、それまでの家事分担が変わらなければ、一方だけが忙しいままということもあります。

夫婦とも仕事を辞めたのに…妻にだけ残った「毎日の仕事」

「毎日、家事だけで一日が終わります。別に大掃除をしているわけでもないんですよ」

 

佳代子さん(仮名・70歳)は、72歳の夫・修一さん(仮名)と暮らしています。

 

夫婦の年金は月約23万円。住宅ローンを完済した戸建てがあり、預貯金は約2,000万円です。子ども2人はすでに独立しています。

 

修一さんは65歳で定年を迎え、その後3年間の再雇用を経て68歳で退職。佳代子さんもスーパーのパートを68歳で辞めました。

 

「これで朝、時間を気にしなくていい。平日に映画を見たり、電車でちょっと遠くまで出かけたりしたいと思っていました」

 

ところが生活は、それまでとあまり変わりませんでした。

 

朝7時ごろ起きて朝食を作り、食器を片付けます。洗濯機を回し、掃除をしているうちに10時過ぎ。スーパーへ行けば昼前になります。

 

家に戻ると、修一さんから声をかけられます。

 

「お昼、何かある?」

 

焼きそばを作ったり、前日の残りを温めたりして食事を済ませると、今度は夕食を考え始めます。

 

「何を作るか決めて、足りない物があれば買って、作って、片付ける。1回1回は大したことじゃないんです。でも朝ご飯が終わったと思ったら昼、その次は夕飯。気づくと一日が終わっています」

 

修一さんが何もしないわけではありません。

 

ゴミ出しや庭の手入れは担当し、頼めば風呂掃除もします。ただ、食事や洗濯、日用品の補充などは、長年佳代子さんが担ってきました。

 

そのため退職後も、「気づいたほうがやる」というより、佳代子さんが気づいて修一さんに頼む形が続いていました。

 

総務省『令和3年社会生活基本調査』によると、1日当たりの「家事関連時間」は男性が51分、女性が3時間24分でした。2001年と比べて男女差は縮小しているものの、2021年時点でも2時間33分の差があります。家事関連時間には家事のほか、介護・看護、育児、買い物が含まれます。

 

また、同調査の詳細行動分類では、女性の家事時間のうち「食事の管理」が46.2%と最も大きな割合を占めています。料理だけではなく、日々の食事を考え、準備し、片付けることが家事の中でも大きな部分を占めていることが分かります。

 

佳代子さんが不満を口にしたきっかけも、昼食でした。

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