週1回だった孫の預かりが、いつの間にか週3回に
「冷蔵庫が空になるのが早くて……。最初は気のせいだと思っていたんです」
春子さん(仮名・73歳)がそう感じ始めたのは、小学3年生と5歳の孫を頻繁に預かるようになってからでした。
夫の正夫さん(仮名・75歳)との二人暮らしで、年金は合わせて月約24万円。貯蓄は約1,700万円あります。住宅ローンは完済しており、大きなぜいたくをしなければ、生活に困ることはありませんでした。
娘の由香さん(仮名・40歳)は夫と共働きです。
きっかけは、由香さんの勤務時間が変わったことでした。
「水曜日だけ、学校と保育園のお迎えをお願いできない?」
春子さんは快く引き受けました。
午後に孫を迎え、そのまま自宅へ連れて帰る。おやつを食べさせ、宿題を見て、夕食を作る。午後8時ごろに娘夫婦が迎えに来ます。
「週1回なら楽しみでした。今日は何を作ろうかな、と考えるのも嫌じゃなかったんです」
ところが数ヵ月後には、「今週だけ金曜日も」「夫が出張だから月曜日も」と依頼が増え、週2~3回預かることが珍しくなくなりました。
食卓にも変化が出ました。夫婦だけなら焼き魚と煮物で済ませる日でも、孫が来れば肉料理を増やし、果物やヨーグルト、ジュース、お菓子も用意します。
ある日、春子さんがスーパーのレシートを並べていると、正夫さんが尋ねました。
「最近、食費が増えてないか?」
確認すると、夫婦だけで暮らしていたころより、食費は月に2万円以上増えていました。それ以外にも、孫を車で送るガソリン代、休日に預かったときの昼食代、遊びに出かけた際の入場料などがあります。
「一回一回は大した金額じゃないんです。でも、毎週となると違いました」
総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月平均の可処分所得が22万1,544円なのに対し、消費支出は26万3,979円です。食費だけでも月7万8,964円となっており、年金生活では日常的な支出の増加が家計に与える影響も無視できません。
