「社員を信じる=放置」ではない…経営者が果たすべき“真の責任”
A社長はその後、社労士の指導のもとで自宅待機命令とヒアリングをやり直し、適正な手続きを経てBさんを懲戒解雇しました。
民事での損害賠償請求も行いましたが、Bさんには資産がなく回収できたのは親族からかき集めた数百万円のみ。残りの金額は、高い授業料として会社が被ることになりました。
「社員を疑うようで気が引ける」「家族のように信頼しているから大丈夫」と、多くの中小企業経営者がそう口にします。
しかし、真の信頼とは、社員を放置することではありません。魔が差すような「機会」を与えない環境を作り、社員が正しく働ける仕組みを整えることこそが、経営者の重要な責任です。
一人の人間に業務と権限を集中させる「属人化」は、会社を危険に晒すだけでなく、社員自身をも不幸な結末へと追い込む可能性があります。今一度、自社の経理体制と労務管理のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。
内海 正人
社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所 代表社員
社会保険労務士/人事コンサルタント
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