税務調査官「支払いの実態が確認できません」52歳ベテラン経理の〈横領3,000万円〉が発覚…「即日クビ」を命じた社長に迫る“まさかの危機”【社労士が解説】

税務調査官「支払いの実態が確認できません」52歳ベテラン経理の〈横領3,000万円〉が発覚…「即日クビ」を命じた社長に迫る“まさかの危機”【社労士が解説】

中小企業において、経理担当者は「会社の金庫番」として絶大な信頼を寄せられる存在です。しかし、その絶対的な信頼と「その人にしか業務がわからない」というブラックボックス化が、取り返しのつかない悲劇を生むことがあります。今回は、長年会社を支えてきたはずのベテラン経理社員が、自身の借金返済のために巨額の横領に手を染めていた事例をご紹介します。さらに、怒りに任せて「即日懲戒解雇」を言い渡してしまった社長に対し、労働問題の専門家である社会保険労務士(社労士)が、法的なリスクと正しい対処法、そして不正を防ぐための労務管理の鉄則を徹底解説します。

「社員を信じる=放置」ではない…経営者が果たすべき“真の責任”

A社長はその後、社労士の指導のもとで自宅待機命令とヒアリングをやり直し、適正な手続きを経てBさんを懲戒解雇しました。

 

民事での損害賠償請求も行いましたが、Bさんには資産がなく回収できたのは親族からかき集めた数百万円のみ。残りの金額は、高い授業料として会社が被ることになりました。

 

「社員を疑うようで気が引ける」「家族のように信頼しているから大丈夫」と、多くの中小企業経営者がそう口にします。

 

しかし、真の信頼とは、社員を放置することではありません。魔が差すような「機会」を与えない環境を作り、社員が正しく働ける仕組みを整えることこそが、経営者の重要な責任です。

 

一人の人間に業務と権限を集中させる「属人化」は、会社を危険に晒すだけでなく、社員自身をも不幸な結末へと追い込む可能性があります。今一度、自社の経理体制と労務管理のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

内海 正人

社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所 代表社員

社会保険労務士/人事コンサルタント

 

 

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