「期待しているよ」月収34万円・32歳女性の誇らしきマネージャー昇進
都内のIT企業で働くミサキさん(仮名・32歳)は、充実感と同時に、かつてないプレッシャーを感じていました。入社5年目、真面目な働きぶりが評価され、会社が社運をかける「新規ECサイト立ち上げプロジェクト」のリーダーに抜擢されたのです。
当時のミサキさんの月収は34万円。同年代のなかでは平均的でしたが、今回の抜擢にあたり、上司である経営企画部長の口から、期待の言葉とともに「ある辞令」が言い渡されました。
「今回のプロジェクトは、君のキャリアにとって最大のチャンスだ。期待しているよ。それに伴って、今月から君を『プロジェクトマネージャー(管理職)』に任命する。これからは経営側の視点を持って、チームを引っ張っていってくれ」
「マネージャー」という響きに、ミサキさんの胸は高鳴りました。ついに自分の努力が認められ、キャリアアップの階段を上り始めたのだと、誇らしい気持ちでいっぱいになったのです。
しかし、その日を境に、ミサキさんの生活は一変することになります。
待っていたのは月100時間超えの残業地獄…プロジェクト成功で流した大粒の涙
任されたプロジェクトは、タイトなスケジュールに対して圧倒的に人員が不足していました。メンバーの進捗が遅れれば、ミサキさんが自分の時間を削ってフォローし、クライアントからの急な仕様変更にも夜通し対応しました。
平日のスケジュール:朝8時に出社し、退社するのは毎日終電間際の23時過ぎ。
休日のスケジュール:土日のどちらかは必ず出勤し、誰もいないオフィスで一人、溜まった書類仕事や仕様書のチェックに追われる。
気がつけば、月間の残業時間は100時間をゆうに超えていました。
連日連夜のサービス残業と休日出勤により、ミサキさんの心身は限界を迎えていました。常に頭は重く、休日ベッドに入っても「月曜日のミーティング」のことばかりが頭を巡り、深い睡眠はとれません。
「今が踏ん張りどころ。プロジェクトが成功して、次の給料日になれば、この努力もすべて報われるはず……」
そう自分に言い聞かせ、ボロボロになりながらもミサキさんは走り続けました。その甲斐あって、プロジェクトは見事に大成功。リリース当日は社内でも大歓声が上がり、社長からも直接「よくやった!」と労いの言葉をかけられました。
張り詰めていた糸が切れ、ミサキさんの目からは、達成感から自然と涙がこぼれました。
