「来ちゃった!今日からよろしくね!」36歳・独身長女、父と別れた64歳・専業主婦母の突然の訪問に戦慄した夜…誤解しがちな熟年離婚“夫の年金の1/2もらえる”【FPが解説】

「来ちゃった!今日からよろしくね!」36歳・独身長女、父と別れた64歳・専業主婦母の突然の訪問に戦慄した夜…誤解しがちな熟年離婚“夫の年金の1/2もらえる”【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

長年の結婚生活に区切りをつけ、新しい人生を選ぶ人は少なくありません。厚生労働省の「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」によると、2024年の離婚件数は18万5,904組で、前年より2,090組増えています。熟年離婚を選択する人が増える一方で、年金分割や財産分与などの具体的な仕組みを正しく理解しないまま離婚に踏み切ると、老後の生活が破綻してしまうことも。本記事では、Aさんの事例とともに、熟年離婚のあとのマネープランについて、波多FP事務所の波多勇気氏が解説します。※紹介する事例は、相談者より許可を得て、プライバシー保護の観点から相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

熟年離婚した両親

会社員として働くAさん(36歳)は独身。都内の1LDKで一人暮らしをしています。両親は実家で2人暮らし。父親は67歳で会社を退職済み、母親は64歳。母親は結婚を機に仕事を辞め、その後は長年、専業主婦として家庭を支えてきました。

 

両親の仲があまりよくないことは、Aさんも以前から知っていました。

 

「昔からよくケンカしていました。子どものころは嫌でしたけど、私が家を出てからは『もう夫婦の問題だから』と思って、あまり口を出さないようにしていたんです」

 

そんなある日、母親から突然電話がかかってきました。

 

「お母さん、お父さんと離婚することにしたから」

 

驚いたAさんでしたが、反対はしませんでした。母親によれば、長年積み重なった不満が限界に達したとのこと。

 

「お母さんがそうしたいなら、私は止めないよ。ただ、これから住むところとか、お金のことは大丈夫なの?」

 

Aさんがそう聞くと、母親は明るく答えました。

 

「大丈夫、大丈夫。財産分与もあるし、年金もあるから。なんとかなるって」

 

その言葉を聞き、Aさんは「そこまで考えているなら」と、それ以上追及しませんでした。しかし数週間後。仕事を終えて自宅に帰ろうとしていたAさんのスマートフォンに、母親からメッセージが届きます。

 

「いま家の前にいるよ!」

 

嫌な予感がしました。急いで帰宅したAさんが自宅マンションの前に着くと、そこには大きなスーツケースを2つ持った母親が立っていました。

 

「来ちゃった! 今日からよろしくね!」

転がり込んできた母

Aさんは母親のスーツケースを凝視しながら、「泊まりに来たの?」と問いました。

 

「違うよ。離婚したっていったでしょ? 今日、家を出てきたの。だから、しばらくここに住ませてもらおうと思って」

 

Aさんは言葉を失います。母親から、同居について相談されたことは一度もありません。Aさんの部屋は1LDK。来客用の部屋などなく、Aさん自身、週に数回は在宅勤務をしています。

 

「しばらくって、どのくらい?」

 

そう聞くと、母親は悪びれる様子もなく答えました。

 

「まだ決めてないよ。急いで家を借りても家賃がもったいないし。あなたも1人なんだから別にいいでしょ」

 

この言葉に、Aさんは背筋が寒くなったといいます。母親のいう「しばらく」は、数日や数週間ではない。もしかすると、このままずっと自分の家に住むつもりなのではないか――。

次ページ母「年金分割したら、お父さんの年金を半分もらえるんでしょ?」

※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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