母の決断…2人の生活の変化
佐代子さんはようやく現実を受け止め、公的な介護サービスを積極的に使うことを決意。加齢とともに身体機能の低下が進み、要介護3に上がったこともあり、最終的には近隣の施設への入居が決まりました。
その後、奈緒さんはフルタイムの仕事に復帰。会社帰りや休日には面会に来てくれるといいます。介護が終わったわけではありませんが、それぞれが自立した生活を送れるスタイルに変化したのです。
こうした事態は、多くの人にとって他人事ではありません。厚生労働省のデータによると、公的介護保険制度における要支援・要介護認定者数は2025年時点で約712万人。2000年度には約256万人だったため、20年余りで約2.8倍に増加しました。高齢化が進む中で、こうした増加は今後も続くと見込まれています。
さらに、介護が家族の暮らしや仕事に与える影響も深刻です。厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、2024年に個人的な事情で離職した人は約544万人。そのうち、介護・看護を理由に離職した人は約9万3,000人に上っています。
「家族だから、子どもに介護してもらって当然」という考えは、本人だけでなく家族をも苦しめます。介護サービスの活用、公的支援の相談、第三者の力を借りることは決して甘えではありません。家族の人生を守るためにも、介護を家庭だけで抱え込まないことが大切です。
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