相続税のない国へ移住すれば相続税はゼロになるのか
富裕層による租税回避は、法人だけの話ではありません。
相続税のない国へ移住し、日本の相続税を回避しようと考えるケースもあります。香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどは相続税を課していないため、一時は富裕層の移住先として注目されました。
しかし、日本では相続税制度が見直され、一定の条件では海外へ移住しても日本の相続税が課税される仕組みが整備されています。そのため、単純に海外へ住民票を移せば相続税を免れられるという時代ではなくなりました。
巨大IT企業はなぜ税金を巡って批判されたのか
租税回避の問題は、多国籍企業にも及びます。GAFA(Google、Apple、Facebook〈現Meta〉、Amazon)などの巨大IT企業は、世界各国で莫大な利益を上げながら、国際税制の仕組みを利用して税負担を抑えているとの批判を受けてきました。
たとえばAmazonは、かつて日本国内で多額の売上を上げながら、日本には法人税の課税対象となる恒久的施設(PE)が存在しないという国際税制を利用し、日本で十分な法人税を納めていないと指摘されていました。
また、スターバックスはスイスやオランダのグループ会社との取引を利用して利益を移転し、税負担を軽減していたことが問題視されました。欧州連合(EU)は、一部加盟国との税務上の優遇措置について「国家補助」に当たる可能性があるとして是正を求めています。
