副業人材との契約でも同じルールが適用される
近年は、副業・兼業を認める企業が増え、専門スキルを持つ会社員へ業務を委託するケースも珍しくなくなった。
しかし、副業人材だからといって特別扱いされるわけではない。
安部氏は、「フリーランス法は、専業のフリーランスだけではなく、副業人材との取引にも適用されます。副業だから契約を簡略化したり、支払いを後回しにしたりすることは認められません。発注内容の書面化、支払期日の管理、ハラスメント対策など、すべて同じルールで対応する必要があります」と説明する。
人材不足が続くなか、副業人材は企業にとって重要な戦力になりつつある。だからこそ、適切な契約管理が、優秀な人材との継続的な関係づくりにもつながる。
「個人との取引だから柔軟でよい」は過去の発想
公取委の最新の運用状況は、フリーランス法が理念だけの法律ではなく、現実の取引を変える制度として本格的に動き始めたことを示している。
1年間で1,552件もの措置が講じられたという事実は、行政が違反を積極的に把握し、是正を求める姿勢を鮮明にした証左でもある。
これまで中小企業では、「昔からの付き合いだから契約書はいらない」「条件は後で話し合えばよい」といった慣行も少なくなかった。しかし、フリーランスや副業人材が企業活動を支える重要な存在となった今、こうした考え方はもはや通用しないだろう。
企業に求められるのは、単に法令違反を避けることではない。契約内容を明確にし、適正な報酬を期限内に支払い、安心して働ける環境を整備することが、優秀な人材から選ばれる企業になるための条件となる。
フリーランスという働き方が社会に定着するなか、公取委の今回の公表は、「個人との取引だから柔軟でよい」という時代から、「企業と同じように、公正で透明性の高い取引を行う時代」へ移行したことを示す、大きな節目になったといえるだろう。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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